中国武漢を発生源とした新型コロナウイルスによる感染症が世界中で起こっています。パンデミックにまで進展することが恐れられていますが、各自が正しく行動することで拡大を防ぐことができます。混乱に乗じて出回った間違った情報に流されないようにしましょう。
WHOのサイトでこういった間違った情報に注意が呼びかけられています。
それらを紹介する前に、感染拡大や自分を守るためにできることを確認しましょう。
- みんなでやろう!予防や感染拡大を防ぐ方法
- 新型コロナウィルスはハンドドライヤーで殺せる?
- 紫外線殺菌ランプで新型コロナウイルスは殺せる?
- 新型コロナウイルス感染者を見つけるために体温スキャナーは効果的なの?
- 体中にアルコールや塩素系消毒液を振りかければ新型コロナウイルスは退治できる?
- 中国からの手紙や小包は安全なの?
- 新型コロナウイルスがペットによって広げられる可能性は?
- 従来の肺炎へのワクチンは新型コロナウイルスへの予防にもなるの?
- 新型コロナウイルスの予防のために、塩水での鼻うがいを定期的にするのは効果あるの?
- にんにくを食べることで新型コロナウイルスを防げるの?
- ごま油を塗ることで新型コロナウイルスが体内に入るのを防げるの?
- 新型コロナウイルスは年寄りがかかりやすいの?子供も?
- 新型コロナウイルスの予防や治療に抗生物質は効果あるの?
- 新型コロナウイルスの予防や治療に効く特効薬はないの?
みんなでやろう!予防や感染拡大を防ぐ方法
- 頻繁な手洗い
アルコール消毒や石鹸で、頻繁に手洗いしましょう。ウイルスのついた手で口や目や鼻などを触ることで感染することが多いからです。
- 咳やくしゃみをしている人の2メートル以内に入らないように
新型コロナウイルスは飛沫感染します。咳をした時に飛び散るツバなどの飛沫にひそんだウイルスで感染します。飛沫を吸い込まないように距離をとりましょう。
- 目、口、鼻を触らない
感染はウイルスの付着した手で、口、鼻、目などを触ることで起きます。不特定多数の人が触るものなど、ウイルスの付着が疑われるものを触ったあとなどは、目、口、鼻を触らないようにしましょう。
- 咳やくしゃみをするときはティッシュや肘の内側で口を覆いましょう
マスクをしていれば大丈夫ですが、無い場合はティッシュや肘の内側の袖で口を覆って飛沫が飛び散るのを防ぎましょう。手で口を覆うと、その手で触ったものから感染が広がってしまいますので注意です。
以上を守ることで感染が広がることを防げます。
それでは、誤った情報に対する回答を見ていくことにしましょう。
新型コロナウィルスはハンドドライヤーで殺せる?

Credit:WHO
そんなことはありません。
ウイルスを殺すにはアルコールジェルなどで手をこするか、石鹸と流水でよく洗い流すことです。その後、ペーパータオルやハンドドライヤーで乾かしましょう。
紫外線殺菌ランプで新型コロナウイルスは殺せる?

Credit: WHO
手や他の部分の皮膚を消毒するために紫外線殺菌ランプを使うのはやめましょう。紫外線により炎症を起こす可能性があります。
新型コロナウイルス感染者を見つけるために体温スキャナーは効果的なの?

Credit:WHO
症状により熱が出ている感染者を見つけるには体温スキャナーは効果的です。しかし、まだ熱の症状を示していない感染者を見つけることはできません。熱の症状が出るのは、感染してから2日から10日経ってからです。
体中にアルコールや塩素系消毒液を振りかければ新型コロナウイルスは退治できる?

Credit:WHO
無理です。
すでに体内に感染した新型コロナウイルスを、体の表面を消毒することで退治することはできません。アルコールや塩素系消毒液は服を傷めたり、目や口のような粘液を傷つける可能性があります。
ただ、体の表面に着いたウイルスを消毒するには、アルコールや塩素系消毒液は有用です。適切な指示に従って使うようにしましょう。
中国からの手紙や小包は安全なの?

Credit:WHO
安全です。
中国からの届け物を受け取る人が、新型コロナウイルス感染の危険にさらされることはありません。先の研究では、手紙や小包のような物体上でコロナウイルスは長く生きていられないことがわかっています。
新型コロナウイルスがペットによって広げられる可能性は?

Credit:WHO
いまのところ、犬や猫のようなペットが新型コロナウイルスに感染したという証拠はありません。しかし、ペットを触った手を石鹸や水で洗うのは、コロナウイルスとは関係なく良い考えです。大腸菌やサルモネラ菌といったペットから伝染る細菌から身を守ることができるからです。
動物園のトラやライオンに感染例が見つかっており、猫科の動物も感染する可能性がありそうです。
従来の肺炎へのワクチンは新型コロナウイルスへの予防にもなるの?

Credit:WHO
なりません。
肺炎球菌やインフルエンザに対するワクチンのような、肺炎に対抗するワクチンは新型コロナウイルスの予防にはなりません。
このウイルスは新型で違いが大きいため、独自のワクチンが必要になります。研究者たちは2019-nCoVに対するワクチンを作るために開発に取り組んでいます。その取組をWHOはサポートしています。
新型コロナウイルスには効きませんが、ワクチン接種そのものは健康のためにも推奨されます。
新型コロナウイルスの予防のために、塩水での鼻うがいを定期的にするのは効果あるの?

Credit:WHO
ありません。
新型コロナウイルスへの感染を塩水での鼻うがいで予防できたという証拠は全くありません。
通常の風邪が塩水による鼻うがいで早く治ったという証拠は、限られたものですがあるにはあります。しかし、呼吸器への感染を予防するということはまだ示されていません。
にんにくを食べることで新型コロナウイルスを防げるの?

Credit:WHO
にんにくは健康的な食べ物で殺菌作用も持っているかもしれません。しかし、現在の感染症の発生において、にんにくが新型コロナウイルスの予防に役立ったという証拠はありません。
ごま油を塗ることで新型コロナウイルスが体内に入るのを防げるの?

Credit:WHO
防げません。
ごま油は新型コロナウイルスを殺しません。表面にある新型コロナウイルスを消毒できる化学的な消毒液はいくつかあります。
次亜塩素酸消毒液や、エーテル溶液、75%アルコール、過酢酸そしてクロロフォルムです。
しかし、こういった消毒薬を皮膚や鼻の下などに塗ったとしてもウイルスにはほぼ全く影響を及ぼしません。こういった化学物質を皮膚に塗ることは危険を及ぼす可能性もあります。やめましょう。
新型コロナウイルスは年寄りがかかりやすいの?子供も?

Credit:WHO
新型コロナウイルスはどの年代の人でもかかる可能性があります。年をとられた方や、基礎疾患のある方(たとえば喘息や糖尿病、心臓病など)は、ウイルスにかかった場合、重症化しやすくなります。
すべての年代の方が、前述の予防のための行動をするようにお願いします。
新型コロナウイルスの予防や治療に抗生物質は効果あるの?

Credit:WHO
ありません。
抗生物質が効くのは細菌に対してであって、ウイルスには効きません。
新型コロナウイルス(2019-nCoV)はウイルスです。なので予防や治療のために抗生物質を使うべきではありません。
しかし、2019-nCoVで入院している場合、抗生物質が処方される場合があります。これは、細菌による同時感染が疑われているからです。
新型コロナウイルスの予防や治療に効く特効薬はないの?

Credit:WHO
現在、新型コロナウイルスの予防や治療のために推奨できる特効薬はありません。
しかし、ウイルスに感染した患者には、症状を緩和し治すための適切な治療が施されますし、重症化した患者にも適切なサポートケアが施されます。
根治療法については現在研究中で、今後臨床試験が行われるでしょう。WHOは研究開発の試みを多くのパートナーと共に援助しています。
混乱の中で発生する様々な偽情報にだまされて感染が広まらないように気をつけましょう。基本はインフルエンザなどの予防と一緒です。よく言われるように手洗いを徹底しましょう。症状が出たらマスクを着用して感染がひろまらないようにし、医療機関へ向かいましょう。
参考記事: WHO
コメント