宇宙に浮かぶ無数の宝石!白色矮星は最後には結晶化する

サイエンスニュース

宇宙の星はその輝きから宝石にたとえられることもありますが、まさに宝石になった星が、無数に銀河に浮かんでいることがわかりました。宇宙に浮かぶ星々の成れの果ての1つである白色矮星の最後が、結晶の塊となる証拠が得られたのです。研究はウォーリック大学によって行われ、「Nature」で発表されています。

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白色矮星は、太陽ほどの大きさの恒星がたどる最終局面にできる星です。核融合の燃料を使い果たした恒星においては、放射圧が減少し外に向かう圧力が低下します。そのため、重力が優位になって硬いコアが中心に集まり、ガスは散らばって星雲となります。残ったコアを白色矮星と呼びます。白色矮星は核融合の名残で熱を持つため輝いていますが、時間と共に冷えていきます。

私達の天の川銀河の中だけでも、100億もの白色矮星があると現在のモデルでは予想されています。今回の研究によると、天の川銀河の年齢ほどの数十億の白色矮星はすでに、ほぼ結晶化しているということになります。

研究では天文学者達によって、地球から300光年の範囲内にある15,000個の白色矮星のデータが使われました。データは欧州宇宙機関のガイア計画によるものが使われ、輝度とその色の解析が行われました。その結果、白色矮星のコアは固体となった酸素と炭素でできていることがわかりました。これは、水が氷になるような相転移がライフサイクルの中で起きたことによるもので、いわゆる結晶化です。

白色矮星の結晶化は実は50年前の理論によって予測されていたのですが、膨大な観測データによってついに実証されたのです。

また、白色矮星は余熱が冷えていくだけなので、年齢を推定するのが容易なのですが、結晶化していることがわかったことで、考えられていたよりも高齢であることがわかりました。あるケースでは20億年もの差異があったといいます。

私達の太陽も将来は、赤色巨星になったあとで惑星状星雲を残して白色矮星になります。その後は、冷えて固まり酸素と炭素の結晶となってきらめくでしょう。残念ながら人類が100億年後にその様子を見ることはできないでしょう。地球は太陽の膨張で滅亡した後だからです。

参考記事: Earth Sky

 

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