どうして石は燃えないの?いいえ、石も燃えますよ!

溶岩 わかる!科学

多くの石は燃えませんが、燃えるものもあります。それはその岩石が何でできているかによって決まり、どのようにして形成されたのかが関係してきます。

岩石には大まかに3つの種類があります。火成岩、堆積岩、そして変成岩です。これらの岩石は、全く異なる性質を持った鉱石からできています。あるものは熱にさらされると、溶けてマグマや溶岩といったとても温度の高い液状の岩石となります。あるものは、熱にさらされると火が着きます。熱せられて火が着く石は燃焼しています。つまり、岩石内部の元素が空気中の酸素と反応して、炎という形で熱や光を発しています。

硫黄や炭素、水素といった元素は、酸素と反応しやすいです。こういった元素を含んだ岩石は可燃性です。こういった元素を含んでいないと、火はつかずに融解します。

岩石のでき方

火成岩は地下のマグマや溶岩が火山から外に出ることで冷やされ、固体に結晶化することで形成されます。こういった岩石の大部分がケイ素でできていて、700℃から高くても1300℃の温度で結晶化します。

火成岩には可燃性の元素がほとんど含まれないか、全く含まれていません。再びマグマへと溶かすには高い温度が必要となりますが、それは高い温度で結晶化したからです。こういった高い温度にするには、町のごみ焼却に使われるような、ハイテクの焼却炉のようなものがいるでしょう。

堆積岩の形成方法は、それとはまったく違います。岩石の砕けた破片や、鉱石、あるいは植物や動物を原料とし、あるいは水分が蒸発して残った結晶(やかんや風呂おけに形成される水垢のようなもの)も原料となります。

生物の中には、硫黄や炭素、水素がたくさん含まれます。実に、これらは地球上の生物を形成する6つの主要な元素の中の3つです。有機体の破片、特に死んだ植物も可燃性であり、石が燃える原因となります。

最後の岩石グループは、変成岩と呼ばれていますが、それは、高温高圧で既存の岩石が変化して、溶けたり燃えたりすることなく新しい岩石が形成されるからです。変成岩は「metamorphic」ですが、ギリシア語の「metamorphosis」を語源とし、「変化」を意味しています。たとえば、キッチンカウンターや彫像で目にする大理石は、石灰岩が深い地下で高温高圧によって変化したものです。

燃やせる石:石炭

無煙石炭

UnsplashRitanuka Ghoshが撮影した写真

火成岩からできた変成岩は可燃性物質を含みませんが、堆積岩からできた変成岩は含んでいる可能性があります。なじみのある例は、無煙石炭で、ほとんどすべてが炭素によってできています。大昔に死んだ植物が低湿地に倒れて、砂や泥に埋もれて何億年もの間強い圧力をかけられることで石炭になりました。

石炭鉱床は世界中にたくさんあります。ときには、地下に埋まったままの石炭に火が着くことがあります。落雷で自然に発火することもあれば、採掘といった人間の活動が原因のこともあります。

かつての炭鉱の町、ペンシルバニア州のセントラリアでは、石炭層が50年以上にわたって燃え続けています。アフリカのジンバブエや、インドのジャーリアなど、世界にはほかにも活発に燃えている石炭層があります。

石炭ができるよりも、はるかに高い圧力が炭素にかかった場合、自然界で最も固い物質である、ダイアモンドができます。1772年、フランスの化学者であるアントワーヌ・ラヴォアジェは、拡大鏡を使って燃やすことで、ダイヤモンドが燃えることを証明しました。

忍耐力があれば、ろうそくの火でもダイヤモンドを燃やすことができます。しかし、ダイヤモンドはとても高価なので、代わりに炭素でできた他の物を燃やした方がいいでしょう。拡大鏡で葉っぱを燃やしたり、キャンプファイアーでマシュマロを燃やすのはどうでしょう?

参考記事: The Conversation

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