もし、地球が真っ二つに裂けてしまったら?漫画などで、大げさな表現として地球が割れてしまうなんてことはありますが、現実世界でそれが起きたらどうなるのでしょうか?ヒントは過去の地球にありました。
地球が真っ二つに裂けてしまったらどうなるのか?その簡単な答えは、私たちが知っているこの世界が終わってしまうというものです。地球上のすべての生き物は終わりを迎えてしまうので、その日は最悪の日ということになるでしょう。
幸い、惑星が半分に割かれるというイベントが起こることはほとんどありません。しかし、信じられないかもしれませんが、太陽系ができて間もないころには、そういったイベントは、思ったよりも多く起きていました。
探偵を演じる
太陽系に注目するとき、天文学者たちは探偵としての重要な役割を演じます。太陽系には、惑星や衛星、小惑星やすい星などの天体があって、そういった天体を天文学者たちは見ています。それらを研究することで、初期のころの太陽系が、どのようなものであったのか、その証拠を集めています。
太陽系の中のいたるところに、科学者がいうところの「巨大衝突」の証拠が見つかります。それが意味していることはというと、惑星形成の最終段階というのが、とても激しいものだったということです。惑星サイズの多くのものがただ浮かんでいて、お互いに衝突しあっていました。
惑星サイズの2つの天体が衝突すると、その衝突は本当に破滅的なもので、世界を粉々にするのに十分以上のものです。水星におこったと考えられていることが、まさにそれでした。
水星が形作られた当初、すべての証拠から、水星は今よりも2倍大きかったことが示されています。しかし、大昔、水星が形作られてから間もなく、水星と同じ大きさの天体が衝突し、ほぼ完全に水星を破壊してしまいました。
この衝突は、水星の大部分をはぎ取ってしまい、金属のコアとそれを覆う薄いがれきの層だけが残されました。一つの惑星が衝突によって引き裂かれ、その傷跡は40億年たった今でも見ることができます。
地球でも衝突が
惑星が引き裂かれた最も有名な例が、私たちの地球で見られます。天文学者たちは、地球が形成された当時、地球は単独であったと考えています。しかし、現在の地球を見てみると、地球には連れとなる星、月があります。では、月はどこから来たのでしょうか?
天文学者たちが集めた証拠からは、とてもドラマチックな物語が見えてきました。地球が形成されて、単独であった時から、それほど立たない頃、地球はほかの惑星に衝突しています。その「テイアー」と呼ばれている惑星は、大きさが火星ほどであり、衝突は、惑星の衝突としては穏やかなものでした。
しかし、惑星間の穏やかな衝突といえども、それは驚くほど暴力的です。その衝突で地球全体が溶岩へと変わり、その時点で進化していたかもしれない生命をすべて殺してしまい、テイアーも破壊されてしまいました。
テイアーと地球から引き裂かれた物質は、惑星周囲の宇宙へと噴出されました。地球の重力は強かったので、ほとんどのデブリは重力圏にとどまって徐々に集まり、月を形成したのです。
なので、夜空に月を見上げるとき、それが地球が若かったころの巨大衝突の名残であると、みんなに言って自慢しましょう。昔々、地球はほかの惑星との衝突で本当に割れたことがあるのです。
参考記事:The Conversation
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