オーロラとは天空を光のカーテンが舞うとても幻想的な現象です。幻想的ではありますが、その源は何らかの魔法ではもちろんなく、科学的に説明できるものです。その鍵は太陽風と地磁気です。
北極圏や南極圏といった緯度の高い場所でよく見られる、とても美しい自然現象がオーロラです。
日本でも北海道などの緯度の高い場所では観察の機会もあり、歴史的記録の中には京都で観測された事例が記されています。
ではオーロラはどのようにしてできるのでしょうか?
太陽や鳥、炭酸飲料の助けを借りて説明しましょう。
オーロラを生み出すエネルギー源は、太陽から来ています。
太陽は、「太陽風」と呼ばれる高エネルギーの流れを生み出します。
これは、太陽から地球に届き、地球を暖かく明るい場所にしている光とはちがったものです。
太陽風は陽子や電子と言われる小さな粒子を乗せて、太陽から宇宙空間へと放出されます。
陽子も電子も私達の身の回りにあるものすべての基本構造となっている小さな粒子です。
植物もチョコレートも私達も、みなこの電子と陽子でできています。
例えば、小さなレゴブロックを思い浮かべてください。
レゴブロックを組み合わせることでそれより大きなものを何でも作ることができます。
宇宙を作っているレゴブロックは、この電子と陽子、あと中性子です。
太陽から放出された陽子と電子はたくさんのエネルギーを持った太陽風として、宇宙空間を旅していきます。
太陽風
太陽風には、強いときと弱いときがあります。
オーロラが観察できるのは、太陽風の強さが一定の強さを超えたときだけです。
太陽風が地球に到達したとき、太陽風が地球の地磁気と出会うことで面白い現象が起きます。
地磁気が太陽風の進路をねじ曲げて、地球をうかいさせるのです。

creidt: 理科年表
地磁気は、方位磁石を北に向けさせている力です。
また、渡り鳥が自分の進む方向を知るためにも使われています。
地球に北極と南極があるのも、地磁気があるからです。
地磁気は太陽風に作用し、地磁気の方向に沿った方向に陽子や電子を導きます。
地磁気は極の中間、赤道付近では中心から離れたところにありますが、北極や南極周辺では地球内部へと向かっています。
なので、太陽風は北極や南極周辺で地球にぶつかることになるのです。
振り回す
太陽風が地磁気を通過して地球へと降りてくると、大気にぶつかります。
大気は地球をおおう空気でできた毛布です。
空気も色んな種類の粒子からできていて、私達が呼吸をするのを助けたり、太陽からくる有害な放射線からわたしたちを守っています。
太陽風の陽子や電子も、地球の大気に含まれる粒子にぶつかって、エネルギーを放出します。

Photo credit: NASA Goddard Photo and Video on VisualHunt.com / CC BY
このとき、オーロラは現れるのです。
そのとき起きることをもっと詳しく見ていきましょう。
では、よく振られた炭酸飲料のボトルを思い浮かべてください。
容器内には炭酸のエネルギーが閉じ込められています。
そこでふたを開けると、エネルギーは開放されて泡の噴水になります。
これと同じことが太陽風と大気の間でも起こります。
太陽風に乗った陽子と電子が、大気中の粒子を振動させるのです。
振り回された粒子はそのエネルギーを泡ではなく、光の形で放出します。
振動を加えられたときに、異なる種類の粒子は異なる色で光ります。
酸素は赤と緑を光を、窒素は青い光を生み出します。
私達の目は、これらの色の中では緑色がよく見えるので、オーロラを見たとき緑色に見えるのです。
オーロラを見たいなら、冬のとても暗い夜、街の灯りの届かない場所に行くといいでしょう。
また、北極や南極に近づくほど見れる可能性は高まりますが、近すぎても見れません。
オーロラベルトと呼ばれる地域が最もよく観察できます。北欧やカナダでは見るチャンスが増えるでしょう。

Photo credit: NASA Hubble on Visual hunt / CC BY
地球以外の惑星でもオーロラは観測されています。
木星や土星のオーロラは圧巻です
参考記事: The Conversation
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