星の作り方ー恒星はどのようにしてできるの?

星雲 わかる!科学

どのようにして星(恒星)を作ったの?という疑問ですが、実際、星は作られたのではありません。自らを作り出したのです。別の言い方をすれば、星々は重力という自然の力によって生まれたのです

新たな星は、銀河という巨大な天体の中で生まれます。銀河の中には、とても大きくてふわふわしたガスや塵でできた雲があります。それを星雲と呼びます。

重力がこのふわふわした雲の内部に塊を生み出します。ケーキの中にあるレーズンみたいなものを思い浮かべてください。重力を簡単に説明すると、質量を持った物質が引き合う力です。ガスのように軽いものも質量を持っているため重力で引き合います。引き合う力が内部へ向かうため、塊の内部ではガスが押しつぶされたようになります。ガスの密度が上がるのです。

この密度の高いガスの塊は、その中心では温度もどんどん高くなります。ガスの温度が高くなり何百万度にも達すると、この塊の中心で特別な反応が起こります。水素原子2つが融合してヘリウム原子へと変化するのです。原子とはこの世にある全てのものを形作っている極小の基本単位です。宇宙に存在している原子で最も多いのは、宇宙誕生後に最初にできた最も基本的な原子である水素です。なのでガスの塊の中にはたくさんの水素が含まれているのです。

水素原子同士からヘリウムが生まれる反応を、核融合と呼びます。この反応では非常に多くのエネルギーが放出されます。融合によってトータルの質量が軽くなるのですが、その質量分のエネルギーが放出されるのです。このエネルギーによる輝きをもって星は生まれるのです

星の一生と死

人間と同じように星も、生まれて生きたあと、死を迎えます。面白いことに、星の寿命は生まれたときの質量で決まっています。軽くて低質量の星は、非常に長生きです。

私達の太陽も、知っての通り、恒星です。その年齢はおよそ45億歳で、その寿命の中頃の時期に当たります。あと50億年もすると、太陽は巨大化したあとにしぼみ始めます。そして死ぬのです。核融合のスイッチが切られ、ただ冷たくそこにある燃え尽きた灰のようになるのです。

太陽よりも何倍も重たい星の命はもっと短くなります。最も重たい種類の星は、百万年ほどしか生きれません。その最後は、地味に終わる太陽とは違いとても壮観です。最後に大爆発を起こすのです。その爆発は、超新星爆発と呼ばれています。

誰もが星屑からできている

「誰もが星屑からできている」というセリフを聞いたことがあるかもしれませんね。それはまさしく本当のことです。星の内部で、ヘリウム原子が融合すると炭素になります。生き物を形作っている分子の中心は炭素です。また、生き物だけでなく身の回りにある全ての原子は、星の内部での核融合や、超新星爆発で生まれると言われています。

星の一生について、まだわかっていないこともたくさんあります。現在多くの巨大な天文台や、宇宙望遠鏡によって、遠くの星の精密な画像が見れるようになってきています。そういった画像から、謎を解き明かすのは、科学者になった将来のあなたかもしれませんね。

参考記事: The Conversation

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