雷に打たれる確率というのは、100万分の1以下だといわれていますが、今月11月の12日から13日の週末にオーストラリアの州や領地で、420万もの落雷が記録されたことで、この確率も大きく上昇したことでしょう。
一つの落雷が時速32万キロ以上の速度であることを考えると、その電力量は巨大です。
稲妻について不思議に思ったことはありますか?過去50年間、世界中の科学者たちが、なぜ稲妻がジグザグであり、上空にある雷雲と結合しているのかを議論してきました。
現在に至るまで、その、明確な説明はありませんでしたが、最近、南オーストラリア大学のプラズマ物理学者によって発表された、道しるべとなる論文によって、その答えが出ました。
オーストラリアの前CSIRO研究員で、現在南オーストラリア大学で准教授のジョン・ローク博士は、稲妻の物理学は、何十年もの間、最高の科学者たちを悩ませてきたと言います。
それでは、その答えとは何でしょう?
一重項デルタ準安定性酸素分子というのが答えです。
一般に、稲妻は電子が十分なエネルギーを持って酸素分子に衝突して、高エネルギーの一重項デルタ酸素分子を生み出すことで、引き起こされます。分子との衝突後に、分離した電子は、高い電導性を持ったステップを形成して、それが稲妻の光を生み出しますが、電場の再分配を引き起こし、連続した次のステップが生まれます。
雷雲とのステップに接続した電導性の柱は暗いままなのですが、それは電子が中性の酸素分子と結びつくからで、続いて、一重項デルタ分子による、即座の電子分離が引き起こされます。
どうしてこのことは重要なんでしょうか?
「どのように稲妻が生み出されるのかを理解する必要がありますが、それは、建物や飛行機、超高層ビルや貴重な教会、そして人々をよりよく守るためです。」と、ローク博士は言います。
人に雷が落ちることはあまりありませんが、特に高くて周囲に何もない建物にはたくさん落ちています。例えばエンパイアステートビルには毎年およそ25回の落雷があります。
落雷から建物を守るための解決策は、ここ数百年の間変わっていません。
1752年にベンジャミン・フランクリンによって発明された避雷針は、基本的には太いワイヤーで、建物の頂点に取り付けられており、地面と接続されています。稲妻を引き寄せて、電荷を接地するように設計されていて、建物に被害が及ぶのを防いでいます。
「こういったフランクリンの避雷針は、今日のすべての建物や教会に必要です。しかし、建物ごとの必要な避雷針の数はどれくらいなのかは、わかっていません。」
また、何百もの建築は、今もまだ保護されておらず、公園の屋根付き休憩所などは、亜鉛メッキされた鉄製で、柱は木製です。
新しいオーストラリアの落雷保護基準では、こういった屋根はアースをとることが推奨されるので、状況は変化するかもしれません。ローク博士は、こういった変化を推奨するオーストラリア基準の委員でした。
「落雷防止策の改良は気候変動で気象イベントが極端になったことを受けて、重要さが増しています。また、飛行機の燃費をよくするための、環境にやさしい素材というは、落雷によって損傷を受けるリスクが高いので、他の追加の保護措置を見つける必要があるでしょう。」
「稲妻がどのように起こるのかがわかればわかっただけ、環境をデザインするためのより良い知識が得られるでしょう。」
研究論文「Toward a theory of stepped leaders in lightning」は、Jounal of Physics D: Applied Physicsで発表されています。
参考記事:Phy.org
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