地球は膨らんでいるの?縮んでいるの?

地球 わかる!科学

人によくプレゼントをする人のように、地球も周囲の太陽系環境へとものを与えたり、逆にもらったりしています。例えば、宇宙を飛び交っている塵は、流星という形で、地球によく降り注いでおり、地球の大気中の気体は、宇宙へとさまよい出ています。

なので、地球から物質が流れ出ている一方で、物質の流入が起こっているとすれば、地球は膨らんでいるのでしょうか?それとも縮んでいるのでしょうか?

地球から気体が宇宙空間へと放出されていることから、地球は、もっと特定すると、地球の大気は縮んでいます。と、NASAのラングレー研究所のギラウム・グロノフ上級研究員は言います。しかし、大きく縮んでいるわけではありません。

ギラウム氏によると、惑星は、降着あるいは、宇宙の塵が衝突していってその質量を大きくしていきながら形成されます。45億年前に地球が形成された後、流星や隕石の形で小さな降着が続き、地球は質量を増やしました。

しかし、惑星が形成されると、別の現象も始まります。大気の流出です。それは蒸発に似ていますが、スケールが違います。大気中の酸素や水素、ヘリウムといった元素は、太陽からエネルギーを吸収することで、大気を逃れることができるのだそうです。

大気

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では、これらの過程は地球全体の大きさにどれだけ影響があるのでしょうか?科学者達によって推計されています。

「もちろんまだ研究中ではあります。といのも、地球の大きさをリアルタイムで測ることは難しいからです。地球が大きくなったのか小さくなったのかわかるほどの精度での地球の重さはわかりません。」

しかし、流星の流れる頻度の観測から、科学者たちは15,000トン、およそエッフェル塔1個と半分の重さが、毎年地球に加わっていると推計しています。

一方、人工衛星のデータを使って、大気から出ていく気体の割合も推計しています。「それは、75,000トンといったところで、エッフェル塔7.5個分の重さです。」つまり地球は毎年60,000トンずつ、質量を失っていることになります。そう聞くと大きな数字に聞こえますが、地球全体からすると、極めて小さな値です。

ここ数百年の数値から得られた、大気の流出の推計値である毎年60,000トンから、計算すると、地球の大気がなくなり、補充されなくなるまでには、50億年かかることになります。

しかし、海や、火山の噴火といった他の現象は、地球に大気を補充する助けとなります。そのため、地球の大気が完全になくなるには、その3000倍、およそ15.4兆年かかることになります。それは、宇宙の年齢のおよそ100倍です。しかし、大気の消失が起きるずっと前、50億年後には、太陽は赤色巨星に進化すると考えられており、そうなると地球は生物の住めない環境にいずれにしろなっています。「なので、大気の流出は長い目で見ても全く問題にはならないのです。」

地球が大気中から空気を宇宙に気前よく放出して、地球は縮んでいるわけですが、それはごくわずかであり、地球上の生命には影響しないのです。

参考記事: LiveScience

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