心地よい風、涼しい風、凍えるような風、猛烈な勢いの風、様々な風がありますが、どのようなメカニズムで吹いているのでしょうか。その答えは気圧の高いところから低いところへの空気の移動です
天気予報で風向きや強さを予想できるのはこのメカニズムがよくわかっているからです。
風は、単なる移動する空気です。空気は様々な気体の集合ですが、主なものは窒素であり、私達が呼吸している酸素や吐き出す二酸化炭素です。
空気に圧力がかかると、移動を始め、風を起こすのです。この圧力がかかるというところをもっと詳しく説明しましょう。
風船をふくらませるところを思い浮かべてください。風船にたくさん空気を吹き込むごとに、内部には圧力が溜まっていきます。圧力が大きくなりすぎると、空気がどこへも動けなくなるため、風船は破裂します。
風船のように、私達もプレッシャーがかかるのは嫌です。悪戯な兄弟や従兄弟が、あなたにベアーハグをかけてきたところを思い浮かべてください。あなたは押しつぶされるため、圧力を感じます。ときには楽しいのですが、力が強すぎるときに、もとの快適な状態に戻るためには脱出して逃げ出すのが一番です。空気にとってもそれは同じです。空気に圧力がかかると、逃げ出そうとするのです。
風船の空気に圧力がかかっていて、あなたが風船の口から指を離すと、空気は一斉に飛び出してきます。ときにはおならのような音が出ることも。
大気中でも同じことが起こります。ある場所で圧力が高まると、そこにある空気はより圧力の低い場所へと殺到します。
こういった大気にかかる圧力は、どのようにしてかかっているのでしょう?
太陽の熱が地表を温めると、ある場所はより暖かくなり、ある場所はもっと冷たいままでとどまります。例えば、地球全体では、北極や南極は非常に冷たいです。その理由は日光が表面をかすめて行くため、実際に地面に当たる量が少なくなるからです。対象的なのが赤道直下で、そこはとても暑いです。日光が上空からすべて直接地面に当たるからです。
知ってるかもしれませんが、暖かな空気は上へと昇っていきます。ヤカンで沸かしたお湯から水蒸気が上へと昇っていくようなものです。
「タダで何かを得ることはできない」と口癖のように言っていた教師がいましたが、その意味するところは、ある場所で空気が上昇しているのであれば、他の場所では下っているに違いないということです。他の場所というのは空気が上昇していない場所で、普通は冷たい場所となります。
そのようにして空気が降りてくると、地面にぶつかり積み重なって発達していきます。この積み重なりが大きくなりすぎると、重なった空気は崩壊し広がっていきます。それは、風船の口から空気が飛び出すのと同じです。
こういった空気が向かう先は、大きな空気の塊が育っていない場所で、普通は空気が上昇する暖かな場所となります。
こういったことが実感できるのが、夏の砂浜です。太陽が浜辺の砂を暖め、海水温よりも高くします。熱がたまると空気は地上では上昇し、海の上へと降りていきます。すぐに海の上には空気がたまり、積み重なった空気が崩壊して、そよ風となります。
簡単にまとめると、風は単なる空気の動きで、高い圧力のかかった場所から、低い圧力の場所へと移動します。天気予報で使われる言葉でいうと、高気圧から低気圧へというふうになるでしょう。
しばしば、それは冷たい場所から暖かな場所へという方向になります。
参考記事: The Conversation
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