丁度良い深層体温が37℃だというのに、気温が37℃あると暑いのはなぜ?

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多くの人が調子がいいと感じるのは、体深くの深層体温がだいたい36.5〜37.5℃の時です。この体温の範囲だと、身体の働きの効率が最もよくなります。

しかし、体温は小さく変動するものです。眠っているときに体温は低下します。また、起きているときでも、お腹が空いたり、疲れていたり寒かったりしたときには、変化しています。そして、病気にかかってしまった場合、体温が高くなることがあります。発熱している状態といえるでしょう。

体の調子がいい時

体温を37℃程度に維持することはとても重要です。そうでなければ体温が上がりすぎてすっかり病気になってしまうでしょう。

体温を維持するために、腕や足についているような筋肉が収縮します。そうすることで、熱を生み出すのです。血液が生み出された熱を体中に運びます。

しかし、例えば暑い日に運動した場合には、体内の温度が高くなりすぎないように、その熱を逃がす必要があります

温まった血液は血管を通って、皮膚の下にまで運ばれます。そうすることで熱は外気へと逃げていきます。

もし、それでも体をクールダウンするのに十分でなければ、身体は汗をかき始めます。汗が皮膚の表面で蒸発することで、より多くの熱を逃すことができるのです。

普通、最も快適に感じるのは、気温がおよそ18〜24℃のときです。このくらいが、余分な熱を外気に逃すのに適した温度のようです。しかし、温度が低すぎると、体温を維持するために動き回る必要がでてきます。

やれやれ、不愉快な暑さだ

肌から熱が逃げるのを妨げるようなものは、夏に、もこもこのジャンパーを着るようなもので、暑く感じさせます。

しかし、暑くてジメジメする日もまた、不愉快に感じさせるものです。というのも、気温が高いと肌から外気へと熱を逃すことが難しくなるからです外気はもうすでに十分暖かいのでそれ以上に熱を奪えないのです。また、風が吹いてない場合も、熱を逃しにくくなります。

涼しく過ごす方法

水浴び

pasja1000によるPixabayからの画像

とても暑くてジメジメする日には、余分な熱を逃がすのが難しくなっています。そういう日には、次の方法で熱を逃しましょう。

  • こまめに水を飲むこと。飲むことで冷たく感じるというだけでなく、取り込んだ水分が汗に変わります。汗をかくことで、体を冷やすことができます
  • 直射日光を避け、なるだけ日陰に、あるいは冷たい風の吹くところにいること
  • 自然素材でできた衣服で薄着すること。風通しを良くします
  • 色の明るい衣服を着ること。暗い色の衣服よりも温度が上がりにくいです
  • 日中、跳んだり走ったり、自転車に乗ったりしないこと
  • 暑い日には、プールに飛び込むか、暑さを避けてエアコンの効いた室内に避難すること
  • 扇風機の前に座ること。風が肌から熱を奪って外気へと逃し、体温を素早く下げてくれます

じっとしていても呼吸をし、心臓は動いているわけで、熱は生まれ続けています。その熱が取り除かれなければ体温を一定に保つことはできません。深層体温が37℃で外気も37℃だと、熱はなかなか逃げていかないため、場合によっては体温が上がりすぎてしまいます。そうなると熱中症にかかってしまう危険もあるのです。体が発する熱と、外気に奪われる熱のバランスが取れている状態が一番快適ということです。

参考記事: The Conversation

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