温暖化の影響?グリーンランドの1日に溶けた氷の量が、観測史上最大の125億トンとなる

雪解け エコロジー

グリーンランドの氷が溶けまくっています

今年2019年の7月の世界の平均温度は観測史上最高となり、強烈な熱波がヨーロッパを襲って40℃以上の気温をマークするなど、世界が温暖化していることを象徴するような事象が続いています。北方に位置する世界最大の氷の島、グリーンランドではなんと山火事が起こっています。この熱波と山火事の影響もあって、8月1日に溶けたグリーンランドの氷の量が、125億トンになり、観測史上最大となっています。

誰も幸せを感じさせないどころか、恐怖をも感じさせる記録の更新です。前回、グリーンランドの氷の融解量が最大になったのは2012年のことで、当時は100億トンの雪解け水が海へと流れでました。

これらの溶けた氷の量の推計を、科学者たちは衛星によるデータなどを参照したコンピュータモデルから得ています。

テッド・スカンボス
「モデルでは気候データと観測値を使って氷の量と降雪量を計算し、氷棚の量の純変化については驚くほど正確です。わたしはこの結果を事実として受け止めています。一日に125億トンが失われ、これは1950年以来一日の総計としては最も高いものです。」

氷の一日の喪失量が記録されだしたのが1950年からです。衛星写真からも、グリーンランドの氷が溶けている様子がわかります。ツイッターでシェアされたビデオでも、ある地点での雪解け水の流れが急激で、土砂混じりの激流となっているさまが見て取れます。

ワシントン・ポストによると、7月の間に溶けて流れ出した氷の量が1970億トンであったことが報告されています。

夏の暑さが静まる月が来ると、グリーンランドの氷棚はまた固まり始めますが、125億トンもの氷が失われて海に流れ出たことは海水面上昇の一因となるでしょう。実際、7月に溶けた氷によって海面は0.5mm上昇したそうです。

地球全体で気温が高くなる、地球温暖化はデータのうえでも示されています。グリーンランドの氷の溶け方が激しくなっていることも、その現れかもしれません。温暖化の原因は、人間の活動によって生み出された温室効果ガスの蓄積であるというのが現在最も支持されています。二酸化炭素などの温室効果ガスは、赤外線を吸収することで宇宙に逃れる熱の一部を大気にとどめ、気温を上昇させます。そのため、二酸化炭素の排出量を制限するための合意が世界でなされています。

温暖化の原因が人為的なものであるならば、人間の力でなんとか食い止めなければならないでしょう。持続可能なエネルギーへの転換や、畜産、農業でのイノベーションなど取り組むべき問題を解決する必要があるでしょう。

参考記事: Gizmodo

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