生まれてから数十億年たつのに、どうして地球の内部は太陽表面の温度と同じままなの?

噴火 わかる!科学

地球は、玉ねぎのような構造をしています。つまり、層が重なってできているのです。

表面から始めると、まず、人々が歩いている地表を含む地殻があって、その奥底には、ほとんどが固体の岩からなるマントルがあります。さらに奥へ行くと、液状になった鉄でできた外核があって、中心には固体の鉄でできた内核があります。内核の直径は、ちょうど月の大きさの70%です。地下に潜れば潜るほど温度は高くなり、核の一部は太陽の表面と同じくらいの熱さです。

たまねぎ

UnsplashK8が撮影した写真

センター・オブ・ジ・アース

地球科学や惑星科学を研究している研究者たちは、地球の内側の研究を行っています。お医者さんが、体内の様子を超音波検査と呼ばれる方法で画像化するのと同じような方法で、科学者たちは地球の内部構造を画像化します。ただし、超音波の代わりに、地震波と呼ばれる、地震が起こった時に生み出される音波を使います。

地球の表面には、土壌や砂、草や舗装路が見えます。地震波の振動はその地下にある、大小の岩石を明らかにします。こういったものはすべて、地殻の一部で、それは30㎞ほどの深さまで続き、マントルと呼ばれる層の上に浮かんでいます。

マントルの上部は、地殻と一緒に動いているのが普通です。これらの層を合わせたものをリソスフィアと呼び、平均すると100㎞程の厚みがありますが、場所によってはもっと厚くなっています。

リソスフィアは、プレートと呼ばれるいくつかの塊に分かれています。例えば太平洋プレートは、太平洋全域をカバーしていて、北アメリカプレートは、北アメリカのほとんどの部分を含みます。プレートはパズルのピースに似ており、一緒にはめ込めば地球全体を大まかにカバーできます。

沿岸

UnsplashNASAが撮影した写真

プレートは、安定していません。動いているのです。ある時は何年もかけて数センチ動きます。ある時は、もっと大きく、そして突然に動きます。こういった動きが、地震や火山の噴火の引き金となっています。

さらに言うと、プレートが動くことは、生物の進化において、重要なまたおそらくは必須の要因となっています。というのも、プレートが動くことで環境が変化し、生物が新しい環境に適応することを強いるからです。

地球内部の熱

溶岩

UnsplashToby Elliottが撮影した写真

プレートが動くのは熱いマントルがあるからです。実際、地球内部へと潜れば潜るだけ、温度は高くなります。

プレートの底、およそ100㎞の深度では、温度は1300℃になります。

マントルと外核の境目まで来ると、その深さは2900㎞で、温度はおよそ2700℃になります。

そして、外核と内核の境目まで来ると、温度は倍になり、およそ6000℃以上となります。ここが、太陽の表面と同じ温度になる場所です。この温度までなると、実質すべてのものが、金属であろうとダイヤモンドであろうと、ヒトであろうと、蒸発してガスになります。しかし、この核は惑星の奥深くにあり、高い圧力を受けているので、核の材料となっている鉄は液体または固体状に保たれています。

外宇宙での衝突

星雲

UnsplashJoel Filipeが撮影した写真

こういった熱はどこから来たのでしょうか?

太陽から来たのではありません。地球上の私たちや、植物、動物たちを太陽は温めてくれますが、日光は惑星内部数キロメートルまで到達できません。

代わりに、2つの熱源があります。ひとつは、45億年前に地球が形成されたときから引き継いでいるものです。地球は太陽星雲と呼ばれる、巨大なガス状の雲からできていて、その内部では、岩石の破片やデブリといった微惑星が絶え間なく衝突、合体を繰り返していました。こういった形成過程が何千何百万年つづきました。

地球を溶かすのに十分な、大量の熱が、そういった衝突から生まれました。そういった熱の一部は宇宙へと失われましたが、残った熱は地球の内部に閉じ込められ、その多くが現在まで残っています。

もう一つの熱源は、地球内部にくまなく広がっている放射性同位体の崩壊です。

それを理解するには、まず、同位体をファミリーとして持つ元素とその構成員を想像してみましょう。ある元素の原子はすべて、同じ数の陽子を持っていますが、異なる同位体のいとこ同士は、異なる数の中性子を持っています。

放射性同位体は、安定していません。それらは、熱へと変換されるエネルギーの流れを放射し続けています。カリウム40、トリウム232、ウラン235、ウラン238が、地球を内部から温めている4大放射性同位体です。

そのうちいくつかは聞いたことがあると思います。例えば、ウラン235は原子力発電所の燃料として使われています。地球はこういった熱源を使い果たしてしまう恐れはありません。もともとのウラン235やカリウム40はもうなくなってしまっていますが、トリウム232やウラン238は今後数十億年も残り続けるでしょう。

熱い核やマントルと一緒に、こういったエネルギーを放出する同位体がプレートを動かす原動力となる熱を生み出しています。

熱がなければ、プレートが動くことも、生命が生まれることもなかった

現在まで、プレートの動きが地表を変化させ続け、何百何十億年もの間、新しい陸地や海を作り続けてきました。プレートはまた、同じようなタイムスケールでは、大気にも影響を及ぼしています。

しかし、地球内部の熱がなければ、プレートが動くこともなかったでしょう。地球は冷えてしまったかもしれません。世界は生命の住めない場所になっていたかもしれません。あなたもここにいなかったでしょう。

足元に地球を感じた時には、そういったことも考えてみてくださいね。

参考記事:The Conversation

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