アルツハイマー病が発症する前に、血液検査で検出する方法を発見

サイエンスニュース

アルツハイマー病は高齢者のかかる病気でも深刻なもので、生活の質や自己充足感に多大な打撃を与えるものです。病気による損傷を小さく抑える方法もありますが、進行の初期に治療を行わないと効果がありません。

アルツハイマー病を診断することは、症状が軽い段階では難しいこともあります。新たな研究で、症状が判明する前に血液検査によって病気の検出を可能にする方法が発見されました。この検査によって、有望な治療結果を得るチャンスが大いに改善され、神経の損傷を遅らせることができるようになるでしょう。

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検査法を開発したのは、ワシントン大学医学部とドイツ神経変性疾患センターの研究者たちで、神経損傷と関係のある特定のタンパク質を検出するという方法を取ります。

血液中にこのタンパク質が存在するということは、脳細胞の損傷を意味しています。研究者たちは、血液中の特別なタンパク質の量の増加が、アルツハイマー病の初期を示す指標となることを確認しました。アルツハイマー病の患者でこのタンパク質が増加しているのを確認したのです。しかし、他の神経疾患でも検出される可能性は残っています。他の神経疾患や損傷においても高いレベルで検出されているのです。

今後、この血液検査は、神経科クリニックでもスクリーニング目的で簡単に利用できるようになるはずです。脊髄穿刺による脳脊髄液の検査よりも、侵襲性がずっと少なくてすむので手軽につかえます。しかし、他の神経疾患の可能性も残るため、血液検査だけで診断を確定はできないでしょう。

研究は、400人のアルツハイマー病の可能性のある患者を対象に数年に渡って行われました。経時的にタンパク質のレベルが追跡されています。その結果、最終的にアルツハイマー病が発症した患者で、このタンパク質が徐々に増えていくことがわかりました。注目すべき点は、量の増加が症状が現れる16年前に検出可能な量にまでなっていたことです。それだけの期間があれば、医師は十分な治療計画を立てることができます。

研究者によると、似たような検査が今後数年で一般化されるということです。アルツハイマー病に対して、深刻な損傷を被る前に先手をとることができるようになるでしょう。

アルツハイマー病は、かかったら神経の損傷を元に戻せなくなる厄介な病気です。症状が出る前に診断がつけば、前もって対処することも可能となります。簡単な血液検査だけで、わかるのならば今後病気で苦しむ人も減ることになるでしょう。

参考記事: BGR

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