描けばいいのか!記憶力を高める簡単な方法が発見される

役立ち情報

記憶力に自信はありますか?うっかり大事なことを忘れてしまう人や、試験などで覚える必要がある人に朗報です。新たな研究から、絵を描くことで記憶力が改善することがわかりました。文字で書いたり、何度も書き直したり、ただ眺めたりといった方法よりも、絵に描くことが記憶の改善に効果的であることがわかったのです。研究はウォータールー大学で行われ、「Experimental Aging Research」で発表されています。

年寄りでも、絵を描く事で記憶力を増強することも可能であると、研究者は言います。そうすることで、加齢による記憶力の低下に対抗し、アルツハイマー病や認知症といった症状のリスクを減らすことができるというのです。

美術教室で四苦八苦する人たちにとっても朗報なのは、絵を描くのがうまくなくても落書きするだけで記憶は改善するということです。

記憶法による違いを見る実験

研究では48人の参加者を対象に実験を行いました。その半数が20代で半数は80代でした。被験者には一連の課題を行ってもらいました。一連の単語を示されときに、次の3つの方法のどれかで書き留めてもらったのです。1つは、単語そのものの書き出し、もう一つはその単語の属性の書き出し、そして、その単語が表している物の絵です。

休憩の後に、参加者にはできるだけ多くの単語を思い出してもらいました。若い人たちのほうが老人よりもよく覚えていました。しかしどちらのグループでも、絵で表して描いた単語をより多く思い出すことができていたのです。

絵を描くことで記憶力が改善する理由を研究者たちはこう考えています。絵には同じ情報が表す複数の見方が含まれるために効率よく記憶できるのかもしれません。例えば、見た目や空間、言葉の響きや言葉の意味、絵を描く動作そのものといった異なる側面です。

言い換えるなら、絵を描くことによって、より多くの脳の部位が活性化し、それぞれの部位特有の記憶に同時に蓄積されるということです。

歳にかかわらず絵を描くことは記憶力を改善

若者と年寄りで、効果に違いがあるのではないかと思われる方もおられるかもしれません。しかし、この研究は、先行研究で若い成人に対して絵を描くことによる記憶の改善が見られたという研究を老人にも適用したというものです。なので、年齢を問わず絵を描くことは記憶を改善するのです。

年をとると、情報を留めておく能力は時間とともに衰えていきますが、絵を描くことで年をとってからも生活の質を維持できる可能性があるのです。また、認知症患者の助けになる可能性も指摘されています。絵を描くことで、機能を保っている脳の領域をうまく使って記憶を作ることができると考えられるからです。

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認知症などの記憶障害にも効果が期待できるこの方法。障害のない人でも記憶を強化するために使えそうです。授業中に落書きするのは実は記憶を助ていたのかもしれません。記憶を改善するために、メモ帳を活用して事あるごとに落書きを楽しんでみるのも良いですね。

参考記事: Science Alert

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