鳥が空を飛べるのは翼があるからなのですが、なぜ翼がついていたら飛ぶことができるのでしょうか?翼は重力を打ち消すことができるのでしょうか?
重さ5キロあるガンという種類の鳥が空から落ちてきたというニュースが、アメリカで報道されたことがあります。
この可愛そうな鳥のニュースは、飛んでいる鳥も重力で落ちてくることがあることを示しています。
飛んでいる鳥にも他の質量を持つ物体と同じように重力がかかっているのです。
質量が大きくなればなるほど、かかる重力も大きくなります。
このガンが空から落ちてきたのは、飛んでいる最中に死んでしまったからです。
一緒に飛んでいたガンの群れは落ちてこなかったのですが、それは重力の影響と張り合えるような何かを生きているガンがしているからです。
鳥が空にとどまるためには、重力に打ち勝つ「揚力(ようりょく)」と呼ばれる力が必要となります。
揚力はとても活動的な力で、空気中をスピードに乗って進む中で翼を動かすことによって作られます。
下図のように揚力が鳥を上へと引き上げます。
揚力を生み出すために、鳥は翼の前縁の部分を後縁よりもわずかに高くした状態で維持します。
空気は翼の表面を流れていくのですが、翼の下面では空気は下へと押し下げられます。
この押し下げる力と反対方向に翼が押し上げられることで、鳥は上昇するのです。
鳥の翼は、この上向きの力を生み出すのに適した形をしています。
大きさや形が異なる鳥も、それぞれに必要な量の揚力を生み出せるだけの翼を持っています。
オーストラリアのペリカンは、空を飛べる鳥の中でも最大級です。
重さは7kgあり、レンガ2つ分にも相当します。
ペリカンの翼はとても大きく、この重力に打ち勝つ揚力を生み出すのに必要十分な大きさです。
また、飛び立つためには早く動く必要もあります。
大型の鳥が、飛び立つために助走を長くとる理由がそこにあります。
ペリカンが飛び立つために苦労している様子を次の動画で見ることができるでしょう。
大型の鳥は揚力を得るために、温められた空気が上昇することで生まれる上昇気流を利用することもあります。
翼を広げて暖かな空気を捕まえることで、苦労せずに揚力を得ることができるのです。
小型の鳥も、飛ぶために十分な揚力を生み出す必要があります。
そのため、多くの鳥が同じサイズの他の動物に比べて体重が軽くなっています。
例えば、ゼブラフィンチの成鳥の大きさはイエネズミ程度ですが、体重は12gで19gのネズミより軽くなっています。
また、鳥の骨は中空構造を持っており、隙間を増やすことで軽量化しています。
骨付きフライドチキンを食べたときに確認してみてくださいね。
参考記事: The Conversation
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