アイスを食べた時に頭がキーンとなる症状の正式名称って?

ブレインフリーズ わかる!科学

頭がキーンとなる症状を正式にアイスクリーム頭痛といいます

暑い夏に食べたくなるのが冷たいアイスクリームです。しかし、美味しいからといって急いで口にかき込むことはおすすめしません。なぜなら、頭がキーンと痛くなるからです。

この症状、英語ではブレインフリーズといいますが、医学的な正式名称もあります。それは、アイスクリーム頭痛です。そのままですね。

アイスクリーム頭痛の症状にもいろいろあって、強く頭が締め付けられたり、刺すような鋭い痛みを感じることが、頭の前部、頭頂部、後頭部などにおこります。というわけで、あのキーンという感覚は頭痛だったわけです。

ただ、アイスクリーム頭痛はちょっと変わっています。頭に直結した口から冷たいアイスクリームを食べることで起こるのはそうなのですが、アイスクリームが触れて冷やした場所と、まさに頭痛が起こる場所は同じではありません。しかし、原因を知りたいからといって、前頭部や頭頂部をアイスクリームで冷やすのはおすすめしません。病気の治療でも脳を急激に冷やすという処置はメリットがないので行われていないのです。(低体温にして脳の病期の進行を遅らせることはされていますが、0℃以下に下げるなんてことはされません)

じゃあ、キーンってなる原因は何?

アイスクリーム

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なぜそうなるのか、本当のところ科学者にもよくわかっていません。しかし、いくつか試みられている説明はあって、それは口の天井部分が冷やされることと関係があるとされています。

口の天井が冷やされると、その冷たさはその場所に存在する冷感を感じる感覚器で感知されます。冷たさの信号は神経を介して脳に伝わるのですが、冷たさが極端だとその信号は非常に活発なものとなります。

じつは、冷たさを伝える神経は他の種類の感覚器からの信号も伝えています。冷たさと頭の他の部分の痛みの刺激が同じ経路で伝わっているのです

そのため、極端な冷たさによって活発な信号が送られると、頭の他の部分からの信号で活発になる脳領域がわずかに刺激されることになるかもしれません。その結果、脳が頭の他の部分が痛いと、間違って考えるようになるのです。

他にも説はあります。冷たいアイスが舌や口を冷やすと、そこにある頭へと血液を送る血管を冷やすことになります。これらの血管は、脳にどれだけ血を送るのかその変化に反応します。その変化を実際に測った科学者は2,3人しかいませんが、脳に送られる血液が増えたのか、減ったのか、について共通した結果は得られていません。しかし、頭が痛かったことは確かなようです。

実際は、この2つ現象が組み合わされて起こっている可能性があります。神経の活性化で血流が調節されて、頭に送られる血液の量が変わるのです。これらすべてが同時に起こっている可能性もあります。

アイスクリーム頭痛の原因がわかってない理由

アイスクリーム頭痛がなぜ起こるのか、という疑問は科学者たちの好奇心をそそっていて、その答えを知りたいと思っています。しかし、その答えを得るために、科学者たちはお金や時間を提供してくれる人たち、つまり政治家や他の科学者などを説得しなければなりません。

残念なことに、科学的好奇心を満たすために利用できるお金や時間は限られています。アイスクリーム頭痛がなぜ起こるのかという疑問は、シンプルで素晴らしい疑問ではあるのですが、他のもっと重要だと思われる疑問よりも注目を集められていないのです。

そういった、大人の事情で謎は解明されていないのです。しかし、いつの日か謎は解かれるでしょう。その日まで、夏の風物詩としてなぜアイスクリーム頭痛が起こるのか、友達と議論して楽しみましょう。最後に、アイスクリームはゆっくりと味わって食べることをおすすめします。

参考記事: The Conversation

 

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