夏になるとわずらわしいのが、血を吸いに来る蚊です。刺されてもかゆくならなければよいのですが、実はかゆくなるのにもわけがあるようなのです
夏になり気温が高くなると、血を吸いに蚊が集まってきますが、全ての蚊が血を吸うわけではありません。
血を吸うのは、メスの蚊だけです。
メスは卵を生むために、エサとして栄養豊富な血液を必要とするのです。
一匹のメスは一生のうちに数百の卵を生みます。
蚊が血を吸うために人間を見つけられるのは、呼気に含まれる二酸化炭素を追いかける能力があるためです。
そして、ある程度まで近づくと、皮膚から出るニオイを嗅ぎつけます。
厳密にいうと、汗に含まれる化学物質や、皮膚にひそむ細菌のニオイです。
蚊はこれらのニオイによって、誰の血を吸うのか決めています。
蚊に刺されやすい人とそうでない人がいるのはこのためです。
刺されるとかゆくなるのはなぜ?
蚊は皮膚上に着地すると、口器を皮膚へとさしこみます。
口器とは吸引力のある長い口です。
口器はそれほど深くさしこまれることはありません。
口器は針というよりも、くねくね曲がるストローのようなものなのです。
皮膚の下で血管を求めて蛇のようにはいまわり突き刺します。
そして、血液を吸いやすくするために、皮膚に唾液を注入します。
この蚊の唾液は、血液の流れを良くするだけでなく、皮膚に赤くて盛り上がったかゆい腫れを引き起こします。
蚊に刺されたときのかゆみの正体は、この蚊の唾液に対する体の反応なのです。
なぜ、蚊の唾液に対して私達の体は、不快なかゆみを引き起こすように反応するのでしょうか?
意外かもしれませんが、蚊は人間を一番多く殺している生き物です。
危険な病気を媒介することで間接的に多くの人を殺しているのです。
もし、蚊にさされてもかゆみがおきなければ、だれも蚊を避けようとしなくなるでしょう。
かゆくなることは実は人間が生き延びるために有利な性質だったのです。
かゆいときの対処法
かゆみの強さは人によって異なります。
刺されたところのはれの強さもまちまちです。
アレルギー源に対して、人々の反応が様々であるように、蚊に刺された際の反応も人さまざまなのです。
もし、蚊にさされたときに大きくはれてかゆみも強い場合には、患部をアイスパックで冷やすとよいでしょう。
また、かゆみ止めクリームを塗るのも助けになります。
重要なのは、蚊にさされても患部をかきすぎないことです。
かゆいからといってつよくかくことで皮膚が破れてしまうと、そこから二次的な細菌感染の危険が高まる上に、かさぶたになって長いこと残ってしまうことになるからです。
参考記事: The Conversation
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