ケプラー宇宙望遠鏡が残したデータの中に地球と同サイズの惑星18個を発見

系外惑星イメージ サイエンスニュース

地球外生命の可能性が高まる、地球サイズの太陽系外惑星が新たに見つかりました

NASAのケプラー宇宙望遠鏡はすでに運用を停止しています。しかし、その残されたデータの中には未発見の驚きが眠っていたのです。マックスプランク研究所とゲオルクアウグスト大学、ゾンネベルク天文台の共同研究によって、未発見だった18個の系外惑星が発見されました。研究は、「Astronomy & Astrophysics」で発表されています。

ケプラーのデータを新たなアルゴリズムで解析

発見はケプラー望遠鏡データの慎重な解析でもたらされました。新たな解析法はより感度が高く、数十から数百の新たな系外惑星を遠くの恒星で見つける能力があるといいます。

通常、系外惑星探索用のハードウェアのデータは、星の明るさの変化をスキャンすることで惑星を見つけます。しかし、この方法だと地球ほどの小さな惑星を見つけることは困難です。

通常の探索用アルゴリズムは、明度の突然の減少を特定します。しかし、実際には円形の星の縁は、中心よりも暗くなっています。そのため、惑星が恒星の前を横切る際、侵入時に遮断する光は弱く、中心部で遮断する光のほうが強いのです。最も暗くなるのは、星が徐々に明るさを回復する直前であり、惑星が中心部を通過するときなのです。それを考慮したアルゴリズムによる解析で新たな惑星は見つかりました。

液状の水が存在する可能性のある地球サイズの惑星

18個もの新しい惑星というのはそれだけで素晴らしい発見です。しかし、そのほとんどに私達が知る範囲での生命が住み着いている可能性は低そうです。18個のうち17個は、液状の水が地表に存在できない程の高温です。地球外生命の発見を待ち望んでいる私達にとって、これはとてもがっかりです。

ただ1つだけ例外がありました。EPIC 201238110.02と呼ばれる地球よりも若干大きな惑星が、地球に似た領域にあるようなのです。主星からちょうど良い距離にあるため、液体の水の存在が期待できます。ゴルディロックスゾーンと呼ばれるちょうど地球が位置している場所にあって、サイズも地球と同程度である惑星はゴルディロックス惑星と呼ばれますが、この惑星はそれに該当しています。地球外生命体を探すのにこれほど適した惑星はそうないでしょう。

研究者たちは更に未発見の惑星を見つけようと思っています。もっと生命に適した惑星もその中に見つかるかもしれません。今回見つかった惑星に生命の痕跡が無いか、調べてもらいたいですが、もっと解像度の高いデータや、どのようなものを生命の痕跡とするのかといった問題もあるでしょう。しかし、今回の発見によって、地球外生命発見の報を聞く日がまた一歩近づいた気がします。

参考記事: BGR

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