世界初!生きたロボットがカエルの胚細胞から作られ動く!

サイエンスニュース

生きた細胞を材料にして、デザインされたとおりに動く生体ロボットが作られました。アフリカツメガエルの胚から作られたこのロボットは、足を使って動いたり、運搬用の穴に荷物を入れて運んだりできます

ロボットとといえば、金属やプラスチックで作られるのが一般的ですが、タフツ大学の研究者たちは生物の細胞を材料としてロボットを作ることを考えました。細胞でできたロボットには、自己再生能力や、任務遂行後に自然消滅する能力が期待できるからです

ロボットのデザインには「進化的アルゴリズム」が使われ、スーパーコンピューターで計算されました。最初にランダムに立体配列された500個から1000個の表皮細胞と心筋細胞から始まって、環境シミュ-レーション内でのテストを使って進化を進めました。心筋細胞が自律的に収縮することを利用してデザインした通りに動かそうというアイディアです。その設計を機械学習で行うのです。例えば、あらゆる組み合わせの中から、最も遠くまで動けるデザインが選び出され次の世代の雛形になります。

実際に研究室で組み立てるデザインをコンピューターが進化させるまで、100世代の計算が行われました。デザインが決まると、ピンセットと組織を焼く道具を使って、アフリカツメガエルの胚から初期の表皮細胞と心筋細胞を整形しました。カエルの学名が「ゼノパス(Xenopus)」であることから、このロボットは「ゼノボット(xenobots)」と呼ばれています。

発表された「PNAS」に掲載された論文によると、水中でこのロボットはまっすぐ進んだり、ぐるぐる回ったり、他のロボットと集団で動いたりしたそうです。

作る様子やロボットの動きは次の動画で見ることができます。

First 'living robots' designed on supercomputer

研究者によると、ゼノボットの大きさは1mmほどですが、最終的にはもっと大きな物にもできるといいます。血管細胞や神経、感覚細胞などを使って、原始的な目を加えることもできるかもしれません。哺乳類の細胞を使うことで、乾燥した環境でも生きられるロボットにできるでしょう。

ただ、そうなってくると倫理的な問題が浮かび上がってきます。ロボットに感覚があり痛みを感じられるとなったら問題でしょう。細胞を使ったロボットの研究をすすめるには、こういった倫理的な問題を解決しておく必要があります。

また、研究者たちはゼノボットを応用して、プラスチック汚染の除去や、放射性物質の除染などに使えないかと考えています。生体内に薬を届けたり、がん細胞を破壊する小型ロボットといった応用も考えられるでしょう。従来の金属などによるロボットと違い、使い終わったロボットは簡単に排除できます。

既存の生物細胞を組み替えてデザインし直すことでロボットを作るというアプローチは新しく感じます。こういった研究から、人工的に生命を生み出す道が生まれてくるかもしれません。科学技術にタブーはないのでしょうか?こういった技術を倫理的な問題として、早急に議論しなければならない段階に来てるのかもしれません。

参考記事: The Guardian

コメント