玉ねぎを切ると涙が出るのはなぜ?

onion わかる!科学

玉ねぎは世界中で生産され食べられています。なので、玉ねぎを切って涙が出た経験というのは世界共通でしょう。涙が出るのは、玉ねぎに含まれる化学物質が空気中に放出されて、目に到達し涙と反応して酸を生み出すからです。

玉ねぎの大部分は水であり、それにいくつかのビタミンと糖の化合物が含まれます。それに加えて、硫黄を含む化合物も含まれています。硫黄はスカンクのおならやにんにくといった匂いの強烈な化学物質に含まれる物質です。硫黄の化合物は植物の防衛機構に使われています。捕食者を追い払うために使われるのです。動けない植物は、他にも棘や噛み切れない硬い細胞のようなもので自己を守ります。

涙が出る理由

玉ねぎに含まれる硫黄化合物の一つ、プロピルスルホキシドが、包丁で切られた時に空気中へ放出されます。この物質は空気中の湿気や、目の周りの湿り気と交わることで、硫酸へと変化します。硫酸は強い匂いを持ち、目に痛みを感じさせます。なので、目は涙を流すことでこれを洗い流そうとするのです

涙を出さずに切る方法

では、涙を流さずに玉ねぎを切るにはどうしたらいいのでしょうか。次に玉ねぎをみじん切りにする際は、細長い根っこが生えているお尻の部分をまず切り捨てましょう。そうすることで、根っこにある害のある硫黄化合物を除くことができます。次に、玉ねぎの頭の部分を切り離して、外の皮をむき、切り始めましょう。涙が出にくくなります。

玉ねぎを切る前に、30分間冷凍する人もいます。そうすることで、硫黄化合物が空気中に出にくくなります。よく研いだ切れ味のよい包丁を使うことでも、化合物の放出を防ぐことができます。

玉ねぎはスパゲッティやツナサラダといった皆さんの好物に味をつけてくれます。匂いで追い払われる人はいませんよね?園芸が好きな人には観賞用のネギ「アリウム」も人気です。

見た目が良いため観賞用に育てられています。多くのアリウムはとても魅力的で、真っ直ぐな長い茎の先に、カラフルな花がボール状に咲きます。そして、そのネギのような匂いでうさぎや鹿といった庭を荒らす動物を寄せ付けないのです。

参考記事: The Conversation

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