何が地球を回しているの?

地球 わかる!科学

地球は生まれたときからすでに自転していました。その回転が慣性力によって現在も続いているのですが、ちょっとずつ速度は変わってきています。

地球の自転の謎を解くためには、地球が誕生した45億年前までさかのぼる必要があります。

自転がどのようにして始まったのかを見る必要があるのです。

私達の太陽系は、星雲と呼ばれるガスやチリから成る雲から作られました。

重力によって星雲に含まれるガスやチリが寄せ集まってそれぞれの天体ができたのです。

材料となるガスやチリはもうすでに回転していました。

回転するガスやチリからできた太陽や惑星はその回転力によって自転を始め、さらにスピードを上げたのです。

どのように自転速度を上げたの?

回転している物体の大きさを縮めると、その回転速度は上がります。

フィギュアスケート選手やバレリーナが、早く回転するために腕を縮めるのと同じ原理です。

地球を形作っている岩石やチリ、ガスが重力によってより集まり小さくなると、自転スピードも上がったのです。

これで、地球が自転を始めた謎と、スピードを上げた謎がわかりました。

では、なぜ未だに回り続けているのでしょうか。

なぜ回転し続けているの?

原理的には、回転している物体は外からエネルギーを加えたり取り去ったりしない限り、慣性によって永遠に回り続けます。

コマを思い浮かべましょう。

コマを回すためには手を使って回転力を加えてやる必要があります。

コマは最後には止まってしまうのですが、それは回転しているコマが接している地面がコマからエネルギーを奪い去っているからです。

このエネルギーを奪っている現象を摩擦(まさつ)といいます。

摩擦は何かをこすり合わせたり、引きずったりしたときにエネルギーを熱として奪い去ることで起こります。

ソリ滑りで、スピードを落とすために足の裏で地面をこすってブレーキを掛けたことはありませんか?

それが摩擦です。

一時期流行ったハンドスピナーが長く回り続けるのは、摩擦が小さいからです。

しかし、摩擦は周りの空気との間にも起こるため、コマもハンドスピナーも結局は止まってしまいます。

地球の場合

地球

WikiImagesによるPixabayからの画像

宇宙に浮かんでいる地球を思い浮かべましょう。

回転を弱める何かが起きない限り、自転し続けるでしょう。

地球はとても大きいので、回転を弱めるためには多くのエネルギーが必要となります。

地球は地面の上で回っているわけではないため、地面との摩擦で回転を弱めることはありません。

地球の大気圏外には空気もないため、空気との摩擦で回転を弱めることもありません。

それが、地球が非常に長い時間回り続けている理由です。

しかし、将来的に地球の自転を変化させたり弱めたりするものはあります。

月によって波が起こったり、満ち引きができたりしていると聞いたことはありませんか?

月の潮汐力によって、地球は非常にゆっくりと回転を弱めています。

5万年に1秒といったゆっくりしたスピードですが。

また、その影響で月はゆっくりと地球から遠ざかっています。

地球と月がまだ生まれて間もないとき、月はもっと地球のそばにありました。

実際、月はかつて地球の一部であり、地球に巨大な隕石が衝突したことで分離したものと考えられています。

なんでそんなことがわかるのでしょうか?

科学者たちは岩石を調べることで、昔は一年の日数がもっと多かったことを発見しています。

恐竜の時代には、一日は22時間であり、現在の24時間よりも短かったのです。

つまり、自転スピードがもっと早かったのです。

太陽からの引力も、地球の回転をわずかですが遅くしています。

もし、小惑星や彗星が地球に衝突したら、自転速度は早くなったり遅くなったり、あるいはひっくり返ったりするでしょう。

天王星

Photo credit: jccwrt on Visualhunt / CC BY-NC

天王星では、自転軸がひっくり返ってほぼ水平になっていますが、その理由として小天体との衝突が考えられています。

他にも、惑星の自転に関する面白い事実があります。

  • 惑星ごとに日の長さは異なっています。水星の一日は地球の59日に当たり、木星の一日は地球での10時間にあたります。
  • 金星の一日は最も長く、地球の117日に当たります。また、自転方向も天王星を除く全ての惑星とは反対に回っています。
  • こういった惑星間の自転速度の違いは、その誕生の仕方や、これまでにどのような天体が衝突したのかによります。

参考記事: The Conversation

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