大人もある部分は成長しませんが、ある部分は成長しています。また、成長しているように見えてしていない部分もあるのです
大人の身長は伸びません
大人になると、腕や足、胸や首などが成長する能力は失われてしまいます。
成長には骨の末端部分にある成長板が重要な役割を果たしますが、大人になるとここが閉じてしまい、それ以上成長しなくなります。

左が子供の大腿骨。右が大人の大腿骨。Epiphyseal plate(Growth plate)が成長板を示している。大人になるとEpiphyseal lineとなって閉じているCredit: OpenSfax College, CC BY
腿の骨である大腿骨を例として説明すると、成長板はお尻近くとヒザ近くにあります。
骨の末端部分は骨端(epiphysis)と呼ばれていて、成長板(growth plate)は骨端の内側の隙間にあります。
隙間にある成長板で細胞が増えることで、骨は長くなるのです。
大人になると、この隙間が閉じてしまったり新しい細胞が増えなくなることで、成長が止まってしまいます。
大人の大腿骨を見てみると、骨端が閉じていて成長が止まっていることがわかります。
成長が止まるのは女性だと16歳から18歳のときであり、男性では18歳から22歳のときです。
年をとると背が縮む
大人はそれ以上背が伸びることはありませんが、縮むことはあります。
30歳を超えると、少しだけ背が縮み始めます。
55歳になるまでに、およそ2.5センチメートル縮むのです。
なぜ、縮むのかというと、骨の継ぎ目の軟骨がつぶれてくるからです。
この現象は、子供でもおこっています。
朝目覚めたときと、夜寝る前に身長を測って比べてみましょう。
すると夜寝る前に身長が縮んでいることがわかるでしょう。
日中に軟骨が押しつぶされて縮んでいるのです。
夜寝ることで、軟骨は再び引き伸ばされて、元の大きさに戻ります。
筋肉をつけることはできるし、太ることもある
大人でも運動して健康な食事をしていれば、筋肉を成長させることができます。
サイクリングやランニングは、足の筋肉を肥大化させるでしょう。
ウェイトリフティングやベンチプレスで腕の筋肉を肥大化できます。
運動することは、筋肉にとっては良いことなのです。
チップスや甘いお菓子といった脂っこいものや甘いものをたくさん食べると、脂肪によって体重が重くなります。
これも一種の成長と言えるでしょう。
しかし、健康な成長ではありません。
健康に成長するためには、運動をして野菜や果物といった健康な種類の食べ物を食べ、チップスや甘いお菓子を避けることです。
部分的に成長したように見える現象

Photo on VisualHunt.com
大人でもある部位が成長したように見えることがあります。
大人でも一回り大きなサイズの靴が必要になることがあり、そのため足が成長したと考えてしまいます。
しかし、足の骨は全く成長していません。
実際に起っているのは、足の骨の継ぎ目が歪んで、土踏まずが潰れているのです。
老人の耳や鼻がわずかに大きくなっていることがあります。
耳や鼻は骨ではなくて、ほとんどが軟骨でできています。
軟骨組織は年をとってからも分裂を続けているのです。
鼻の大きさの違いはそれほどでもありませんが、耳は1センチも長くなることがあります。
年を取ると重力によって鼻や耳がたるむため、これらの部分が大きくなったようにみえるのです。
手や顔が大きくなる病気

最高身長272cm
Credit: Wikipedia
大人の中には、手や顔が大きく成長する人たちがいます。
この現象がおこるのは、脳が成長ホルモンとよばれる物質を分泌しているからです。
成長ホルモンは子どもたちの骨が長く太くなるときに必要となります。
大人の脳もある種の成長ホルモンを作っており、顔や手を成長させることができるのです。
通常この成長はとてもゆっくりと起きます。
しかし、中には成長ホルモンを作りすぎてしまう人もいて、手や顔が大きくなりすぎてしまうのです。
お医者さんは特別な治療法で、この成長を止めることができます。
参考記事: The Conversation
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