恐竜をDNAからよみがえらせることはできるの?

恐竜 わかる!科学

恐竜は化石でしかみつかっていませんが、そのDNAをとってきて、現代に蘇らせることはできるのでしょうか?

昔の生き物について研究を行っている古生物学者たちは、このような質問を受けることが多いようです。つまり、「ジュラシックパーク」や「ジュラシックワールド」に出てくる科学者たちは、DNAを使ってトリケラトプスやベロキラプトル、ティラノサウルスを蘇らせています。

そして、こういった映画を見た人たちは、現実の科学者たちが現在の技術で同じことができるのだろうかと疑問に思うわけです。

DNAについての基礎

DNA

PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像

DNAとは、デオキシリボ核酸のことで、これまで地球上で生きてきた恐竜を含むすべての生命のすべての細胞に含まれる物質です。

DNAは遺伝子暗号を運んでいる分子だと思ってください。その暗号とは身体や精神が育って栄えるのに役立つ指示の集合です。

あなたの持つDNAは他の誰のものとも異なっています。そして、あなたを定義する多くの特徴を定めていて、例えば、目の色やくせっ毛の具合などを決めています。

DNAは生物の体の柔軟な部分、例えば臓器や血管、神経や筋肉や脂肪では簡単に見つかります。

しかし、恐竜の柔軟な部分というのはとっくの昔に失われています。腐敗したり、他の恐竜に食べられたりしてしまったのです。

化石にDNAは含まれないの?

恐竜骨格

OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像

恐竜の化石は、これらの有史前の動物が残した唯一のものです。

太古の泥や鉱石や水の中に何千万年も浸っていた結果、化石は恐竜の骨や歯、頭蓋骨といった「硬い部分」からなります。

恐竜の化石は地中や川底、湖の底、崖や山の側面で見つかります。ときには、庭で見つける人もいます。

表面近くで見つかることもよくありますが、普通は、堆積岩の中に埋もれています。

十分な化石があれば、博物館に行ったときに見られるような、恐竜の骨格標本を組み立てることができます。

恐竜DNAにまつわる困難

恐竜絶滅

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

しかし、恐竜のDNAを探そうとした場合、科学者たちはとても大きな問題に直面します。

DNA分子は最後には崩壊します。最新の研究によると、DNAが損なわれて完全分解するのは約700万年後です。

これは長い時間のように聞こえますが、最後の恐竜が死んだのは白亜紀の終わりです。それは、6千500万年以上前のことなのです

今日化石を掘り出したとしても、その中に含まれる恐竜DNAはとっくの昔にバラバラになってしまっています。

つまり、科学者たちの知る範囲では、現在使える最高の技術を使っても、そのDNAから恐竜を作ることは不可能なのです。

恐竜DNAを見つけるには遅すぎるのですが、最近科学者たちは面白い発見をしています。

ネアンデルタール人やマンモスのような昔の哺乳類の化石から、DNAの断片を発見したのです

今やはっきりしていることですが、こういった断片は200万年いないのもので、すべてのDNAが崩壊するよりもずっと新しいものなのです。

少し想像してみてください

ハイブリッド恐竜

Kristin EisnerによるPixabayからの画像

少したわむれに、想像してみてください。将来のある日、なんとかして研究者が、恐竜のDNA配列を思いついたとします。

その断片だけでは、科学者たちはまだ、完全な恐竜を生み出すことはできません。

代わりに、生物を生み出すには、現在生きている動物のDNAと、その断片を組み合わせる必要があるでしょう。

しかし、その生物は本物の恐竜と呼ぶことはできないでしょう。むしろ、恐竜と、最も可能性のあるものとして鳥や爬虫類、との間の子でありハイブリッドです。

これは良い考えと思いますか?「ジュラシックパーク」の科学者たちがやろうとしたのはこういうことです。その結果どうなったかはみなさんがご存知でしょう。

ジュラシックパークでは恐竜の血を吸った蚊が琥珀に閉じ込められて化石化したものから、恐竜DNAを取り出して、といった話でした。今回の話では、DNAそのものの寿命が700万年ということで、琥珀に閉じ込められていようが、壊れてしまうということです。化石から、DNAを見つけることは不可能ということですが、現存する生物のDNAに含まれる恐竜の名残りから、復元することは可能かもしれません。DNAには生命の歴史が刻まれているからです。バイオテクノロジーが発達した未来には、恐竜そのものを復活させることは不可能かもしれませんが、恐竜のような生物を生み出すことはできるようになるかもしれません。今の所、夢物語ではありますが。

参考記事: The Conversation

コメント