私達がバブバブ言っている赤ちゃんだった頃、私達の脳が生み出せる言葉はかわいらしい「アー」とか「うー」といった簡単なものでした。しかし幼い探求を通じて、言葉を自分のものにし始めると、すぐにその意味も知るようになります。
新たな研究によると、誕生から18歳になるまでの言語学習は思われているほど楽なことでは無いことが示されています。平均的な英語を母国語とする成人は、言語に関する情報として1250万ビットを学習しているという論文が「Royal Society Open Science」で発表されました。
ビットとは0か1で表される2進数情報のことで、コンピュータのデジタル情報の最小単位です。人の脳は、別の形式で情報を符号化しますが、比較対象としてビットを使うことができます。研究者たちはその見積もりを、多くの計算モデルを参考にして行っています。
驚いたことに、私達の言語知識をデジタルメディアに換算すると、フロッピーディスク1枚に収まってしまいます。フロッピーディスクは1.5MBの情報を保存できます。MP3の音楽データだと約1分ほどの長さです。
事例として最も言語を使う場合を見積もると、成人は1日に1000から2000ビットの母国語を思い出します。最小の場合は1日に120ビットです。
研究によると、この脳に記憶された1250万ビットの言語情報の多くは、文法や構文とは関係はなく、言葉の意味がほとんどです。
これは人の学習がロボットの学習と異なっていることをも示しています。
言葉の意味は言語間で非常に似ていることがあり得るため、バイリンガルの人たちは、情報を2倍蓄積しているわけではないとも付け加えています。
今回の研究は英語を母国語にした場合なので、英語をネイティブレベルまで習得するために必要な知識の総量と考えることもできるでしょう。すべての言語知識がフロッピーディスク1枚に入るとは、少ないようにも思えますが、文字に換算すると144万文字もあります。外国語をマスターするのが大変なのもわかりますね。また、文法や構文の記憶には多くの容量がさかれていないことから、実は文法や構文の知識はそれほど多くない事もわかります。言語の習得には時間がかかります。なので「1週間でペラペラ」、などということはありえないのでだまされないようにしましょう。
参考記事: Live Science
コメント