ニュートンが見つけた、物が地面に落ちる理由

わかる!科学

ボールを持ち上げて手を離すと、地面に向かって落ちていきます。一生懸命ジャンプしてがんばっても結局は地面に着地することになります。その理由は、地球上に重力があるからです。地球上と言いましたが、重力を持っているのは地球だけではありません。太陽も月も、ちっぽけなアリもあなたも、全ての重さをもつ物質は「重力」という、物体を引きつける力を持っているのです。

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ニュートンの発見

最初に重力の法則を見つけたのは、有名な科学者アイザック・ニュートンです。逸話によると、ニュートンがリンゴの木の下に座っていた時に、1つのリンゴが落ちてきたそうです。地面へと落ちていくリンゴが落ちるのを見ながら、なぜリンゴが空へと飛んでいかないのか不思議に思ったそうです。

多くの実験と優れた洞察から、重力の強さは物体の重さによって変わり、物体間の距離が離れるほどに弱くなることを発見しました。宇宙で重力がどのように働いているのかを、ちょっとした旅行をしながら見ていきましょう。

質量を持つ物体は重力を持つ

まず最初に、公園に行ってサッカーボールを蹴ってみましょう。空へと蹴り上げても、サッカーボールは地球の持つ重力によって地面に引き戻されます。しかし、この時逆の力も働いています。サッカーボールが地球を引きつけるのです。ですが、地球の重さとサッカーボールの重さでは比較にならないほどの開きがあります。そのため、サッカーボールが地球を引きつける効果は全く見られないのです。

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なんで地球は太陽に落ちないのか

次に、宇宙へと飛び出して月へとむかいましょう。月から地球と太陽が見えます。太陽は地球よりもずっと大きな天体です。そのため、持っている重力もとても大きいのです。地球と太陽を見て、こう思いませんか?「なんで、地球や他の惑星は太陽に落ちてしまわないの?」その答えは、地球や他の天体が絶えず動いているからです。太陽の周りを回るこの運動を「公転」と呼びますが、その力は天体が生まれた45億年前に加えられたものです。公転の遠心力によって、地球は太陽に落ちることがないのです。

月の重力

月に到着しました。なんか、体重が軽くなった気がしませんか?実は地球上と月面ではかかる重力の強さが違います。月の重さは地球の約80分の1しかありません。そのため重力も小さく、地球の6分の1です。なので、月でジャンプをすると、とても高く跳ぶことができます。

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潮の満ち引きも重力のせい

最後に海辺へと行ってみましょう。しばらく波を見ていると、時間とともに波の到達点が近づいてきているのがわかります。潮が満ちてきているのです。潮の満ち引きは水位の変化によっておこっています。何かが水の塊を引っ張って水位をあげているのです。実は、その力は月の重力によるものです。この力を潮汐力と呼びます。月が地球の周りを回って、私たちのいる海辺に近づいてくると月からの潮汐力が強くなり、水位が上がって潮が満ちます。月が海岸から遠ざかっていくと、潮汐力も弱まり、潮は引いていくのです。

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潮汐力をもたらしているのは、月だけではありません。太陽からの潮汐力も地球は受けています。そのため、月の潮汐力と太陽の潮汐力が重なると、水を引っ張る力も強くなり、大潮となるのです。

重力の不思議

実は、重力にはもっと不思議な性質があります。かの天才アインシュタインの相対性理論で明らかになったものです。なんと重力は時間と空間を捻じ曲げるのです。また、重力をもたらしている素粒子のことはよくわかっていません。ヒッグス粒子が質量をもたらしていると言われていますが、まだ謎が多いのです。重力を量子論的に解明することは、現在の物理学者たちの夢です。その謎を解くのは科学に興味を持った将来のあなたかもしれませんね。

参考記事: The Conversation

コメント

  1. […] 地球がなぜ丸いのかを理解するためには、重力と質量という2つを見ていく必要があります。 […]