地球外生命体ってどんな姿をしているの?

エイリアン わかる!科学

地球外生命体を探すとき、地球上の生命と同じ資源のある場所を探そうとします。しかし、地球外生命体とは、そもそも未知の生物であり、地球上の生命とは全く異なったものかもしれないのです

わたしたちはまだ地球外生命体を見つけていません。なので本当に存在するのかどうかは今のところわからないのです。しかし、宇宙には多くの惑星が存在することはわかっていて、その数は地球上の全砂粒の数よりも多いと見積もる科学者もいます。なので、地球外生命体が存在しないと考えるほうが不自然です。そこで、科学者たちは最初の地球外生命体を見つけよう努力しています。

ではどこを探せばいいのでしょうか。場所の候補を絞るために、科学者たちは地球外生命体がどのようなものであるのか想像し、その生命に適した環境を考えるのです。例えば、地球外生命体も地球上の生命と同じようにその基本ブロックが炭素でできていると考えるとします。すると、その生命には液体の水が必要であると考えられるため、生命を探すために液体の水のある惑星に注目するのです。

地球外生命体を想像する難しさ

問題は、地球外生命体がどのようなものであるのかを想像するのが極めて難しいことです。私達が知っている生命は、地球上に存在するものに限られています。地球というたった1つの例しか知らないのです。たった一つの例から、想像するのがどれほど難しいのかを説明するため、蝶を例えに考えてみましょう。

蝶

SchwoazeによるPixabayからの画像

蝶がどのようなものかを特定するためには、なるべく多くの種類の蝶を調べます。その中から、すべての蝶に共通する特徴というものを見つけるのです。蝶を調べてみると、多くの異なる色や大きさというものがわかるかもしれません。しかし、すべての蝶に共通する点は、一対の触覚と6本の足を持つことなのです。もし、蝶の標本がたった1つしかなかったとすると、すべての蝶が黒とオレンジであると、間違った推論をしかねません。

同じように、地球上の生命しか標本がないということは、宇宙に存在する生命の共通点が何で、地球上の生命だけに特別な点が何かを区別することが難しいということになるのです。はたして、すべての生物は炭素を基礎にしていて、水を必要不可欠にしているのでしょうか?この性質は宇宙共通なのでしょうか?それとも地球の生命が特別なのでしょうか?

地球外生命体を想像する科学的ヒント

科学者の中には、想像するための基礎として、地球生命で見られる「収斂進化」の考え方を適用する人もいます。収斂進化とは、目や手足のような特徴が、まるっきり異なった生物グループで、個別のルートで何度も進化することです。

昆虫の目

Photo credit: James Niland on VisualHunt / CC BY

例えば、「目」は地球上の生命において、何度も独立して進化しています。私達の目と昆虫の目は同じ機能を持っていますが、その仕組は異なっています。そのため、地球外生命体においても目が進化していると考えても良さそうです

ただ、問題なのは地球上の異なる生物も、独立した標本ではないということです。というもの、地球上の生物はすべて全く同じ共通の祖先から進化してきているからです。地球上の生物は皆兄弟なのです。目は地球のような明るい惑星では共通しているのかもしれませんが、闇の惑星では進化しないでしょう。または、目はDNAをもとに生まれた生物でしか進化しないかもしれません。

想像のための他のヒントは、化学と物理学にあります。生物は多くのエネルギーや、多くの化学反応を必要とします。化学変化の場所として、液体の水は極めて理想的です。同じように、炭素も大きくて長い複雑な分子を作る上で理想的な物質です。生物はそのような高分子でできています。そのため、液体の水のある惑星で炭素を基礎とした生物を見つけるという議論が好まれるのです

一方で、水の代用となる液体も存在します。液体メタンです。また、炭素以外にも複雑な分子を作れるケイ素があります。液体メタンの惑星でケイ素を基礎とする生命を探すのも良いかもしれません。土星の衛星であるタイタンには、液体メタンの海があることがわかっており、生命の存在が予想されています。

生物を生物たらしめる自然選択

もう一つ言っておかなければならないことがあります。地球外生命体も私達と同じように、自然選択によって進化するだろうということです。自然選択では、多くの子孫を残した種が最終的に生き残ることで、その個体の持った有利な特徴が受け継がれていきます。時間とともにその特徴が行き渡り一般化するのです。こうして有利な特徴が積み重なっていくことで進化がおこります。生物の高い適応能力はこのような過程で生まれるのです。

生物と非生物を分けるものは複雑性です。生物は多くの複雑な部品でできていて、その部品たちは共通の目的である、食べて生き延び、子孫を残すために協力します。このような複雑な適応能力は、自然選択によって成し遂げられるのです。

自然選択こそが、地球外生命体についても適用される法則でしょう。地球外生命体も自然選択によって進化しているはずです。地球外生命体がどのように進化するのか、考えるのは楽しいです。どのように進化が進めばどのような見た目になるのかわかるはずです。それはその惑星の環境に適応したものとなっているでしょう!

参考記事: The Conversation

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