メキシコで発見されたおしゃべりな新種恐竜

おしゃべり恐竜 生物学

メキシコの古生物学者が見つけた新種の恐竜は、とてもおしゃべりだったのではないかと考えられています。象のような低い周波数の音で互いにコミュニケーションを取っていたのではと、研究者は述べています。

トラトロプス・ガロラムと名付けられたこの恐竜は、7200万年前のもので、現在のメキシコ北部のコアウイラ州のある場所に生息していたと考えられます。

最初にしっぽが見つかった後、大腿骨、肩の骨はもちろん、発声に使う空洞のある1.32メートルの骨でできたとさかのある頭部の大部分も見つけたと古生物学者たちは言います。

「体の大きさを計算したところ、しっぽだけでもおよそ6メートルあることから、体長は8メートルから12メートルだった可能性があります」とは、古生物学者のアンジェル・アレハンドロ・ラミレス氏。

これらの恐竜はとてもおしゃべりだったのではと考えています。象が発するような低い周波数の音は何キロも先まで届き、人間には聞こえませんが、それと似た音を発声、知覚してさえいたのです」と、続けました。

恐竜

PrawnyによるPixabayからの画像

この、平和的でおしゃべりな恐竜は、大きな音で捕食者を追い払う能力も持っていた可能性があることを、メキシコ国立人類歴史研究所(INAH)は研究の発表時に述べています。

メキシコの研究者たちは、トラトロプス・ガロラムのとさかは、赤かったかもしれないと考えています。

「この恐竜は、現代の鳥と同じように、色が見えたため、トサカはおそらくは明るい色だったでしょう。真っ赤だったか、あるいは斑点のある混色だったかもしれません」とラミレス氏は言います。

この発見はまだ研究段階です。しかし、INAHによると、この古代の恐竜の研究は、科学誌「Cretaceous Research」ですでに発表されています。

「これはメキシコの古生物学では珍しいケースです。コアウイラが熱帯地域だった、何千万年もの昔に、条件の素晴らしいイベントが起こったため、見つかったままの状態で保存されていたのでしょう」

トラトロプス(Tlatolophus)という名前は、現地のナワトル語で「言葉」を意味する「tlahtolli」とギリシャ語で「とさか」を意味するロプス(lophus)から派生したものだと、研究者たちは説明しています。

空洞のある巨大なとさかから発せられる音はさぞかし大迫力だったんでしょうね。人間には聞こえない音ということですが、象の鳴き声でも聞こえる部分はあるので、一度聞いてみたい気もします。

参考記事: Phys.Org

 

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