人間の脳とラットの脳を繋いで、頭で考えただけでラットを操作することに中国の研究者たちが成功したと主張しています。使われた技術は「Brain to Brain Interface(BBI)」と呼ばれるもので、ラットが迷路を解くのを人が頭で考えて指示をあたえることで操作して助けました。
BBIが動物を操作するのに使われたのは今回が初めてではありません。以前、別の研究者たちがラットの尻尾を振らせたり、人間の手の動きをコントロールする研究を行っています。
しかし、ナビゲーションのような複雑なことを完全に成し遂げるために使われたのは初めてです。これにより、強力なマインドコントロール技術が一歩前進したことになります。
この研究は浙江大学の研究チームによって行われ、「Scientific Reports」で発表されています。
サイボーグラットの実験
研究チームはまず、4対の電極をラットの脳の2つの部位に埋め込みました。それにより、6匹の「サイボーグラット」を作ったのです。
次に、このラットをトレーニングして、電極に与えられた刺激と特定の行動を関連付けるように学習させました。その刺激をラットに与えるためには、ラットの背中に背負わせた装置を使って無線を介してコントロールしています。
さらに、脳波図(EEG)をとる装置を、人間の操縦者の頭にセットしてコンピューターにつなぎました。操縦者の脳波はEEGによって記録され、コンピューターはそれを解釈してラットへの指示へ変換します。例えば、「左に曲がれ」などで、電気信号としてラットへ送られます。
このシステムを使って、人間の操縦者は、サイボーグラットを操作して2つの試験に臨みました。その中には、ラットがはしごを登ったりトンネルをくぐったりする必要のある複雑な迷路も含まれます。論文によると、「サイボーグラットたちはみな、10回連続の試験を高い成功確率でこなしています。」
サイボーグラットの応用法
このBBI技術の応用法に関して、論文で特記されていることはありませんが、以前の論文では、サイボーグラットは救難者探索救出ミッションで有用であることを主張しています。
その様な応用は可能かもしれませんが、生物医学技術者であるアンガス・マクモーランドは、それが最も効率的であるとは思っていません。
現在、この研究は、私達がもっと複雑な作業をBBIで使えるようにする研究過程を一歩進めたように思えます。そしておそらくいつの日か、人の間でテレパシーを可能にするかもしれません。
参考記事: Futurism
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