私達はだれであっても、仕事で行き詰まったり、うまくいかない人間関係や飽き飽きする日常にはまったりすることがあります。または、新しいことを始めてもやる気が続かないことも。疲れたり意気をくじかれたと感じ、先に進むためのエネルギーが足りないこともあります。
そんなときには、強い意志や気力だけではどうにもなりません。しかし、研究によって、こういった障害を乗り越えるための4つの方法が明らかになっているのです。
1. 視野を広げる
西洋の文化に慣れ親しんだ人々の多くは、直線的な考え方が習慣となっていて、現在の状況が続くことを予期してしまいます。この考え方は私達が自分自身について「こうである」と信じている物語を強固にしています。もし、貧乏な家庭や機能不全になった家族の中で育ったとすると、その状況がずっと続くと予想してしまいます。その自己達成予測とともに、自分が知っている範囲の事柄にだけ強くひきつけられるのです。
もし、自己陶酔型の両親を持っていたとすれば、自己陶酔型の人間関係に引き寄せられます。貧乏な家庭で育てば、自分を貧乏であると考えることで貧乏になる選択をしてしまい、それは考え方を変えるまで続きます。
自由になるためには、自分が何に注意を惹きつけられるのかに気をつける必要があります。つまり、真実を隠したり、問題を無視する代わりに、考え方の幅を広げるようにするのです。
ニューヨーク大学の研究では、驚くことに、研究者のTシャツにおなじみの陰陽模様を見た後に人々の考え方がより躍動したものとなりました。今の状況が続くことを予期する代わりに、世界を異なった視野で見るようになり、新たな可能性に気付くようになったのです。
この研究が示しているように、「老子」の自然の知恵が私達の考え方を広げてくれ、自然の陰と陽の活発なサイクルに気づかせてくれます。日光があるところに影があり、昼と夜は繰り返され、季節は巡るのです。すると、キャロル・デュエックの言う「成長マインドセット」が育ちます。東洋思想を研究したり、自然の中で時間を過ごし、成長や変化のサイクルを観察することで、考え方を広げることができるのです。
2. 運動
体を動かすことは、心や感情に影響を与えます。バビャックらによる研究では、運動が抑うつを和らげる助けになることが示されています。脳への血流を増やすことで、より創造的に考えることができるようにもなります。日々の中で運動する機会を増やすことで、人生を前進させるエネルギーを積み上げることができるのです。
その方法はいくつもあります。早歩きの散歩にでかけたり、エレベーターの代わりに階段を使ったり、エクササイズの教室や、ジムに通ったり、ダンスや水泳、自転車に乗るのも良いでしょう。楽しんで体を動かす方法を見つけて、エネルギーが高まるのを感じましょう。
3. 好奇心に従うこと
好奇心に従うことは、積極的な経験や人間的な成長、更には人生を変えてしまうような結果にまでつながることがあります。ローラさんは何年も前に失職して新しい街へと引っ越しました。そこでコミュニティーセンターのライティング教室へと申し込んだのです。すると、そこでライターであり自然写真家でもあるアートさんと出会い、恋に落ちます。今では幸せな結婚をして、世界中を旅して周り、旅行記を書いて一緒に旅する生活を楽しんでいます。
好奇心に従うために、今まで何に興味を持ち、それを探求するために何ができるか、自分に問いかけて見てください。
4. 非生産的な習慣を前向きなものに代える
無心でおやつを貪ったり、ネットサーフィンで時間を無駄にしたりといった習慣をやめたいのであれば、心理学者ガブリエル・オエッティンゲンの考案した「もし、しそうになったら」戦略を使いましょう。
最初に、習慣にしたい前向きな代替行動を考え、「もし、しそうになったら」声明を作りましょう。
前向きな代替行動に必要なものは前もって用意しておきましょう。例えば、人参をスライスしてジップロックしておきます。
次に、行動に移る準備ができるように、「もし、そうならば」計画を実行している自分をイメージしておきます。
もし、うまく行かなくて行き詰まったら、この心理学に基づいた4つの方法の中の一つを試してみてください。きっと、障害をうまく乗り越えられるでしょう。
参考記事: Psychology Today
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