良い習慣が身につくと生活が豊かになり、悪い習慣から抜け切らなければ、そのうち実害が生じます。習慣はより良く生きるための鍵です。研究によると、新しい習慣を身につける鍵は、とにかく繰り返すことのようです。ジムに通ったり、デンタルフロスを通すことを、とにかく続けましょう。研究は、コンピュータ内のデジタルネズミのモデルを使って行われ、「Psychological Review」で発表されています。
望む行動を習慣にしたいなら、その行動であまり気持ちよくならなくても、単純に続けることが重要です。この結論は、著者らがデザインしたコンピュータ内の環境で、デジタルネズミを使って、習慣が形成される過程を研究することで得られました。
神経経路説を支持する結果
神経経路が、取られた行動によって活性化し、反復によって強化されることで習慣が形成されるとする先行研究と、今回の発見は良くあっています。この仕組のせいで、悪い選択を繰り返してしまうことになるのです。私達は、そもそも本当に選択しているわけではなく、馴染みのいつもの行動の神経経路を自動運転させているだけなのだと、グレッチェン・ルーディンは著書の中で述べています。
すべての人が、この研究の結論に賛成できるわけではないでしょう。チャールズ・ヂュヒグなどは、報酬系によって、獲得したい新しい習慣を学んで形成することができると主張しています。
報酬よりも習慣
研究において、シミュレーション内のデジタルネズミには、2つのレバーが用意されました。一つは「正しい」レバーで、報酬が得られるものです。もう一つは「間違った」レバーで、報酬は得られません。しかし、実験中にこの「正しい」レバーを押しても報酬が出ないことが時々あるようになっていて、そのときは「間違った」レバーを押すと報酬が出ます。
ネズミの訓練が短い期間にとどまっている時、「正しい」レバーに習慣づけがあまりなされていないため、「間違った」レバーへと報酬を探しに行くことが度々ありました。
一方で、「正しい」レバーが一貫して報酬を出す条件で長期間訓練されると、レバーの役割が入れ替わったときに行動を変化させることがあまり見られなくなりました。報酬が得られないにもかかわらず「正しい」レバーを何度もたたき続けたのです。つまり、慣れ親しんだ習慣は報酬への欲求よりも強制力があるということです。
また、実験の結果から、強迫性障害やチック症の背後にあるメカニズムについても、説明できる可能性があります。次のステップは、研究が本物の人間に当てはまるのかを調べることです。
望んだことが習慣になるのではなくて、行ったことが習慣になるんですね。ついつい妥協して安易な行動をとっていると、そのままズルズル悪い習慣を引きずることになるようです。研究は、デジタルのネズミで行われているため、ヒトに当てはまるかどうかはまだ未知とはいえ、研究結果には納得がいきます。行動を変えて、どんどん良い習慣を身につけるようにしましょう。最初はたいへんでしょうけど、一旦身についてしまうとラクラクこなせるようになりますよ。
参考文献: World Economic Forum
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