月面開発の未来にとって有望な事実が明らかになりました。月の表側に水分子の動きが観測されたのです。
水の動き
NASAのルナー・リコネサンス・オービター(LRO)が月の表側に、「水分子の動き」を捕らえました。これは、将来の月面開発にとって重大な発見です。
月が日周期する間に月面が暖められることで、水分子が動くようになることが観測されたのです。研究者たちは、水の主要な供給源を太陽風からの水素イオンであると今までは推測していて、地球が太陽と月の間に入ると、供給が途切れると考えていました。しかし、新たな発見によると、地球が太陽風を遮っても、水の減少は見られませんでした。つまり、今まで信じられていたよりも、持続可能な水源が月面に潜んでいるということです。
ホットな話題
研究を行ったのは、ジョン・ホプキンス大学の応用物理学研究室とNASAのゴダード・スペース・フライト・センターで、発見は「Geophysical Research Letter」で発表されています。データはLORに搭載された、リーマン・アルファ・マッピング・プロジェクト(LAMP)で集められています。この装置は、月面の紫外線反射をマップするための、紫外線分光器です。
「この新しい重要な結果は月面の水についてのもので、私達の国の宇宙計画が再び月面探査に焦点を当てることにつながるホットな話題です。」と述べるのは、サウスウェスト・リサーチ・インスティチュートのLAMP装置主任研究員カート・レザフォードです。「現在、LAMPの集光モードを切り替えて、月面の明るい側を反射するシグナルをもっと精密に測れるようにしており、どこに水があって、どれくらい存在するのかを正確に追跡できるようになっています。」
水の形
ブラウン大学の研究による2017年の大発見で、かなりの量の水が月の石内部に存在する可能性が示されました。同時に、この発見によってそれまで共通見解であった、月面の水は両極にあるとする考えが大きく転換しています。
LAMPによって発見された新しい結果は、以前考えられたよりも月面の水は、水循環していることから、ずっと利用しやすいものであり、将来の月面ミッションで使えるという見方を強めたと言えます。月にはすでに多くの水が存在しているというわけで、獲得するために必要な時間も資源も少なくて済みそうです。
大気が無いため、乾いているように見える月面ですが、実は思ったよりも水を含んでいるようです。地球から宇宙に水を飛ばすには多くの費用がかかりますが、月面で調達できるとすると、開発にかかるコストがグッと抑えられます。水は、宇宙飛行士が生きるために必須であるばかりでなく、電気分解で水素と酸素を生みだせ、燃料として利用できます。今回の発見は宇宙開発にとって、大きな発見だったと言えるでしょう。
参考記事: Futurism
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