小惑星ベンヌから、生命の起源に関わる予想外の発見

サイエンスニュース

NASAによると、地球近傍小惑星から受信した最初のデータから、予想外の発見があり、太陽系の起源や地球上の生命の起源についての証拠が得られたようです

アメリカ宇宙局が2016年に飛ばした小惑星探査機オサイリス・レックスが地球近傍小惑星であるベンヌにようやく到着したのは2018年の12月3日です。

小惑星のサンプルを地球に持ち帰ることを目的とした最初のミッションであり、それが達成されるにはあと2、3年はかかります。

このミッションによる最新の発見は、7本の科学論文として、「Nature」、「Nature Astronomy」、「Nature Geoscience」と「Nature Communications」に掲載されました。その中の1本が、「小惑星ベンヌ表面の予想外の発見」を伝えています。

ベンヌ表面の特徴からは、予想よりも古いものである可能性が示されていて、太陽系の進化の異なる段階における新たな洞察をもたらすでしょう。

ベンヌは太陽系形成時の残り物デブリの一部ですが、同様の宇宙岩石は生命の発生に必要となる水和して炭素に富んだ鉱物をもたらした可能性があります

オサイリス・レックスに搭載された機器によるベンヌの観測から、広域に渡る豊富な水和した鉱物や、予想外に多数の大型の丸石が確認されました。水和した鉱物が地球の水の起源となった可能性があるのです。

この、小惑星ベンヌですが、地球に6年周期で近づいており、150年以内に地球に最接近して衝突する可能性があります。その可能性は小さいのですが、わずかというわけでもなく、およそ0.1%です。

大きさは、エンパイアステートビルの高さに匹敵する幅を持ち、地球を破壊するには至りませんが、大災害を引き起こす可能性はあります。

その大きさは、今までに宇宙探査機が軌道に乗った天体の中で最も小さいものだとNASAは発表しています。

NASA
「オサイリス・レックスでベンヌを研究することで、太陽系の起源、地球上の水や有機分子の起源、そして、地球近傍での危険や資源についての知識を増やすことができるでしょう。」

地上の水の起源は彗星であるとされていますが、ベンヌで見られるような水和した鉱物が地上にもたらされた可能性もあります。もともと地表に存在した水和した鉱物も海の起源としては考えられていますし、液状でない水は太陽系に豊富に存在するようですね。

参考記事: Independent

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