私達がペットとして飼っている犬はなぜわたしたちよりも先に死んでしまうのでしょうか?なぜ大きな動物の方が小さな動物よりも長生きなのでしょう?
犬は人間と同じ哺乳類で、心臓や肺といった生きる上で必要な器官も同じように持っています。
犬と一緒に生きる時間は私達をハッピーにしてくれますが、死んでしまったときの悲しみほど辛いものはありません。
なぜ犬は私達よりも寿命が短いのでしょうか?
寿命は体の大きさと関係している
科学者たちは体の大きさと寿命の長さの間に、相関関係があることに昔から気づいていました。
一般に、大きな動物は小さな動物よりも長く生きるのです。
大きな生き物が長く生きる理由として最も信じられているのが、代謝速度の違いです。
代謝速度は、車の燃費に例えられます。
燃費のいい車は、燃料をゆっくり燃焼させることで、長く走ることができ、走行距離も長く走れます。
代謝速度の遅い生き物は、燃費の良い車と同じです。
一般に小さな生き物になるほど、代謝速度は早くなります。
代謝速度が早くなると、燃料をすぐに燃焼してしまう燃費の悪い車のように、寿命は短くなってしまいます。
しかし、代謝速度と寿命に関係があるというこの説も万能ではありません。
例外が存在するのです。
ある種のオウムはとても早い代謝速度を持っています。
それにも関わらず、80年以上も長生きするのです。
代謝速度は、心拍の速さと相関がありますが、このオウムの心拍数は600bpmと高速です。
ちなみに人間の心拍数は70bpmから100bpmくらいです。
じつは、犬もこの法則に従わない生き物なのです。
大きさと寿命の関係が逆転している犬
犬の間では大きな動物の方が長生きするという法則が成り立ちません。
70kgにも達する巨大な犬であるグレートデーンは、7歳まで生きられれば幸運な方です。
一方、4kgしかないチワワは、10年以上も長生きします。
なぜこのようなことが起こるのか、理由はわかりません。
ですが、長生きする犬を買いたいのであれば、小さな犬種を選んだ方がよさそうです。
体が大きい方が生存上有利になる
現在では、体の大きさと寿命の関係は、動物たちが直面する「淘汰圧」に依存するのではないかと考えられています。
淘汰圧というのは、進化論で使われる用語で、不利な形質を持つ生き物の生存を脅かす圧力のことです。
その中には餌を狩る捕食者の存在も含まれています。
クジラや象といった大きな動物は、その大きさゆえに野生において他の捕食者に攻撃されることがありません。
その反対に、グッピーやネズミといった小さな生き物はいつも捕食者に狙われる危険があります。
犬の長生きを願う研究者たち
なぜ犬が年をとり、どうすれば長生きさせられるかをテーマにした研究はたくさんあります。
それは研究者たちも犬好きであることが一つの理由ですが、こういった研究は人間がどうすれば長生きできるかにもつながってくるからです。
年をとった犬が抱える健康上の問題は、肥満や関節痛など、人間の老化と共通しているのです。
生き物の寿命については英語のサイトですが、あらゆる動物の最高寿命のデータベースを提供するAnAgeというサイトがあります。
色んな動物の寿命を調べてみると面白いでしょう。
研究が進めば、愛犬の寿命を伸ばす方法も見つかるかもしれません。
1000年後には犬の寿命は300歳にもなると主張する科学者もいるようですよ。
参考記事: The Conversation
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