太陽系の外にも惑星があるって本当?生命はいるの?

わかる!科学

私達の地球が存在している太陽系。その太陽系の外にも宇宙は広がっていて、太陽系は天の川銀河という、およそ2千億個もの星の集まりの中のたった1つです。太陽系の外にも地球のような星はあるのでしょうか?実はあるんです。すでに数千個も見つかっており、中には生物が存在するのでは?と考えられているものもあります。そういった、太陽系外の地球のような星のことを太陽系外惑星、あるいは、系外惑星と呼びます。

惑星って何でしょう?

地球は惑星です。惑星とは、自ら光を発していない天体で、太陽のような光る恒星の周りを回っているもののことです。私達の太陽を回っている惑星は8つあって、太陽に近い順に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星です。以前は冥王星も惑星とされていましたが、惑星の厳密な定義が変わったことで外されてしまいました。

惑星という名前は、天球上で動かない星座を構成している星とは違って、これらの天体が天球上を自由に動き回っているように見えたことから惑う星という意味でつけられました。光を発していない惑星が、夜空で光って見えるのは、太陽の光を反射しているためです。他の恒星とは違って近い距離にあるために、かなり明るく光って見えます。

系外惑星の見つけ方

太陽系外ではたくさんの系外惑星が見つかっています。これらの惑星は太陽系から非常に離れているうえ、中心にある恒星の明るさでかき消されるため直接観察することは基本的にできません。ちなみに太陽の直径は地球の直径の104倍あります。

では、どうやって系外惑星は発見されたのでしょうか?初めて系外惑星が発見されたのは、1992年と比較的最近になってからです。発見前も系外惑星の存在は多くの天文学者たちが信じており、様々な発見法が提唱されています。

最初に見つかった系外惑星

最初に発見された系外惑星は、パルサーと呼ばれる点滅する中性子星で見つかりました。中性子星は普通の星が死んだ後の残骸に現れる星です。この最初の発見に使われた方法は、パルサーにしか使えない珍しい方法でパルサー・タイミング法と呼ばれています。パルサーは規則的に点滅していますが、惑星を持つとその周期性に乱れが生じます。この記念すべき最初の系外惑星が見つかったパルサーは、PSR B1257+12です。

ドップラー分光法

系外惑星発見でよく使われる方法が、ドップラー分光法と、トランジット法です。ドップラー分光法は、視線速度法とも呼ばれています。この方法は、惑星の重力に引っ張られて、中央の恒星が揺れ動く動きを検知するという方法です。光のドップラー効果という、光源の移動によって光の波長が伸び縮みする性質を利用します。光源が観察者から遠ざかるとき、光は赤みを増します。逆に近づくときは青みがますのです。この方法で多く検出されるのは、惑星の質量が高く大きな木星型惑星です。

トランジット法

最近になって非常に多くの惑星を発見した方法が、トランジット法です。トランジット法は、惑星が恒星面を通過したときに光をさえぎることでおこる、減光を検知することで、惑星を見つける方法です。日食は月が太陽を隠すことで起こります。その時、太陽の光は届かなくなりますよね。月は太陽を完全に隠すほどの見かけ上の大きさをもっていますが、系外惑星はそこまで大きくないので、光を一部さえぎることしかできません。しかし、この微妙な光度の減少をとらえることで、惑星を発見できるのです。この方法を得意としていたのが、最近引退した宇宙望遠鏡のケプラーです。宇宙空間で大気による光のゆらぎの影響を受けないため、減光の発見に適していました。ケプラーだけでおよそ2600個もの系外惑星を発見しています。

系外惑星の種類

たくさん見つかっている系外惑星ですが、その種類も様々です。いくつか紹介します。

ホットジュピター

ホットジュピターは、ドップラー分光法でよく見つかる、軌道が主星に近いため温度が高くなった、木星サイズの大きな惑星です。

スーパーアース

スーパー・アースは、地球型の岩石質の惑星ですが、地球の数倍の大きさのものです。地球型とはいえ、生物の生存に適しているというわけではありません。

ハビタブル惑星

ハビタブル惑星は、中心の恒星との距離が液体の水が存在するのに適した位置にある惑星です。惑星の種類は問わないため、必ずしも生物の存在に適しているとは言えませんが、良い候補となります。

ゴルディロックス惑星

ゴルディロックス惑星は、ハビタブルゾーンに存在する惑星で、地球サイズのものです。生物が発生する可能性が高く、進化さえも起こっているかもしれません。

特徴的な系外惑星

実際に見つかったいくつかの特徴的な系外惑星を紹介します。

プロキシマ・ケンタウリb

プロキシマ・ケンタウリbは、太陽系に最も近い恒星系にある系外惑星です。恒星系アルファ・ケンタウリは、3重星です。3つの恒星が互いを回っています。その中で少し外れたところにあるのが、プロキシマ・ケンタウリです。このプロキシマ・ケンタウリで見つかった系外惑星がプロキシマ・ケンタウリbです。ドップラー分光度法で発見されました。この惑星、なんとハビタブルゾーンにあることがわかっており、液体の水の存在が期待できます。もしかしたら、地球外生命が存在しているかもしれません。

Photo credit: sjrankin on Visual Hunt / CC BY-NC

2M1207b

2M1207bは、なんと直接撮影に成功した系外惑星です。チリの超大型望遠鏡VLTによって、熱を持った物質が放射する赤外光をとらえることで撮影されました。

Credit: Wikipedia

Draugr

Draugr(PSR B1257+12 b)は、最も質量の小さな系外惑星です。最初に発見された惑星と同じパルサーを回っており、質量は月の2倍です。

HR 2562b

HR 2562bは、最も質量の大きな系外惑星です。ジェミニ惑星映像装置で発見されました。質量は木星の約30倍で、最も小さな恒星である褐色矮星ではないかとも疑われています。

トラピスト1e

トラピスト1eは、ハビタブルゾーンに存在する系外惑星です。恒星トラピスト1には、7つの惑星が同時に見つかっており、その中でも生命の存在が高いとされる惑星です。

Credit: Wikipedia

たくさん見つかっている系外惑星ですが、ある計算では、系外惑星の数は1兆個にも達するとされています。これだけ存在する惑星の中で、生命が存在するのが地球だけと考えるのは、無理があると思います。ハビタブル惑星に生命が存在するのか、とても興味のあるところですが、宇宙は広く到達する手立ては今の所ありません。しかし、科学者たちが生命の痕跡を見つけるよい手立てを思いつく可能性もあります。今後の研究から目が離せません。

コメント

  1. […] るちょうど地球が位置している場所にあって、サイズも地球と同程度である惑星はゴルディロックス惑星と呼ばれますが、この惑星はそれに該当しています。地球外生命体を探すのにこ […]

  2. […] 太陽系の外にも惑星があるって本当?生命はいるの? […]