太陽系に近い系外惑星に、原始的生命の可能性

サイエンスニュース

新たな報告によると、太陽系の近くで見つかっている系外惑星に原始的な生命がいる可能性は、思われていたよりも高そうです。太陽系に2番目に近い恒星、バーナード星には系外惑星バーナードbが存在することが、昨年分かっています。その惑星は、スーパーアースという分類にある岩石質で地球よりもずっと大きなサイズをしています。しかし、バーナード星の温度が低いことから、惑星表面の温度は低く、マイナス170℃という極寒の環境です。なので、生命が存在するとは考えられていませんでした。

地熱で解けた氷に生命が存在する可能性

しかし、新たな発見で惑星が、鉄とニッケルで出来た巨大なコアを持ち、地熱活動を持つことがわかったことで事態は変化しました。原始的な生命であれば存在する可能性があるのです。発見を報告したのはベラノバ大学の天体物理学者エドワード・ガイナンとスコット・エングルです。

地熱によって生命圏が地下に存在する可能性があり、それは南極で見つかった地下の湖に似ていると言います。バーナードbの表面温度は、木星の衛星であるエウロパに近いものです。エウロパは、巨大な木星の潮汐力によって熱が生み出されており、表面の氷の底に液体の水で出来た海があると考えられています。

Photo credit: Tobi NDH on Visual hunt / CC BY

太陽系から2番めに近いバーナード星

バーナードbが見つかったのは昨年の11月ですが、発見者たちはこの惑星が生命には適していない、液体の水の存在しない氷の砂漠であると表現しています。恒星からの光は弱く、温度が低いために、どのような生物であっても生きていくことはできないというのです。しかし、地熱があるとすると、話しは変わります。地熱と氷が接触する場所には液体の水が生まれ、思われていたよりもずっと生命に適した環境となるのです。

バーナードbの質量は地球の3倍で、公転周期は233日。太陽系の水星と程度の距離にある軌道を回っています。

研究者たちはもっとバーナードbのことを知りたいと思っています。主星であるバーナード星が暗いことから観測は難しいのですが、将来の大型望遠鏡でもっとよく見ることができると期待されています。

宇宙は生命で溢れているのかも

太陽系に最も近い星は、プロキシマ・ケンタウリです。プロキシマ・ケンタウリにも惑星が存在することがわかっており、プロキシマ・ケンタウリbと呼ばれていて、生命の存在する可能性があります。2番めに近いバーナードbにも生命の存在の可能性があるとすると、宇宙には意外に多くの生命が存在しているのかもしれません。

地球でも地下深くのとても生命が存在できるとは思えなかったところで、生命が見つかっています。生命が非常に柔軟に環境に適応することから、生命存在可能性のある惑星の報告はこれからも増えるでしょう。期待が高まってワクワクが止まりません。

参考記事: Independent

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